秋の彼岸の頃になると田のあぜや土手などで、一斉に鮮やかな深紅の花を咲かせるヒガンバナ。岡山県南部では9月20日ごろから「見た」との声が急増しています。
ヒガンバナは、別名・曼殊沙華(まんじゅしゃげ・まんじゅしゃか)などとも呼ばれ、1978年にリリースされた山口百恵さんの楽曲(作詞:阿木燿子、作曲:宇崎竜童)を思い浮かべる人もいるのではないでしょうか。
ヒガンバナには、他にも、シビトバナ(死人花)、ハミズハナミズ(葉見ず花見ず⇒葉の時期には花が見られず、花の時期には葉がみられない生態にちなむ)などの呼び名もあり、一説によると500以上の地方名があるとも言われています。
日本の秋の風物詩になっているヒガンバナですが、実は、有史以前に日本に持ち込まれ定着した中国原産の史前帰化植物だと考えられています。日本のヒガンバナは3倍体で種子がほぼできず(できても発芽しない)球根で増えるのに対し、中国のものは2倍体で種子ができるなど違いがあります。
写真のヒガンバナは、9月19日に総社市で撮影したものです。草むらの中に控えめに咲いていました。