現代アートの祭典、瀬戸内国際芸術祭の秋会期が開催されています。今回は高見島の見どころを紹介します。
高見島で展開しているのは「高見島アートトレイル」です。会場は急な坂道や階段が多く、トレッキングしながら点在する作品を楽しむスタイルです。
会場に隠れる空想の生き物
坂道を登って最初に見つけたのは木の中に隠れた作品。淺井裕介さんの「星屑の子どもたち」です。淺井さんが作り出した空想の生き物で、会場内の至る所に隠れています。
中でも「ボス」のような存在感、ぎょろっとした目が不気味に感じる淺井裕介さんの「土ヲ喰ム」という作品です。
家の神様が突然地面から現れたシーンを表していて、出てきた穴の近くには元々この家にあったアイロンなどが散らばっています。
和紙や墨で島の人々を描く
急な坂道を上った先にある古民家の中にある青い絵。
よく見ると「人」らしき姿があります。これはかつて島の人々が使っていた「サンパン舟」に乗って島を出る人と、それを見送る人の様子が描かれています。
板に和紙を張ったキャンバスに墨で描いたり、和紙をはがして色を出したり、さまざまな方法で色を付けました。
“外来種だけ”のアートグルメ
お楽しみはアートなグルメです。EAT&ART TAROさんの「エイリアンカレー」です。(お茶とセットで1500円)
エイリアンとは「外来種」という意味です。日本原産以外の食材だけで作ったカレーはココナッツミルクベースの甘い風味と、食べたことがあるような、ないような、不思議な香りが鼻から抜けます。
セットには外来種であるイネ科の雑草の一種、「シナダレスズメガヤ」のお茶が付きます。徹底的にエイリアンです。
アートなトレッキングやグルメが楽しめる高見島。瀬戸芸秋会期は2025年11月9日まで開かれています。