岡山大学学術研究院(岡山大学病院腎泌尿器科)の平定卓也研究准教授らの研究グループは16日、「難治性過活動膀胱(ぼうこう)」の患者に対し、膀胱の粘膜の表面から薬剤を直接作用させる「ETA」と呼ばれる治療法を世界で初めて臨床応用した症例を報告したと発表しました。報告は1月9日にアメリカのCureus誌にオンライン公開されました。
難治性過活動膀胱とは、急にトイレに行きたくなり我慢ができない病気のことです。従来、膀胱に筋の収縮を抑える薬剤を注射するなどの治療が行われていますが、それでも夜間の頻尿や切迫感に苦しむ患者が少なくないということです。
近年の研究で、膀胱の知覚が過敏になることが症状に関わっていることが明らかになったことから、研究チームは72歳の女性患者に対し、内視鏡を用いて知覚神経が密集している膀胱三角部と頸部に薬剤を塗って浸透させる治療を行いました。その結果、注射による治療時と比べ、夜間の頻尿が2~3回から1~2回へ、また尿意の切迫感が1日3回から1回に減ったということです。
定平研究准教授は「ETA治療は感覚神経ネットワークそのものへアプローチする可能性があり、実用的な治療の選択肢としての位置づけを明確にしていきたい」とコメントしています。