岡山市の中学3年生が対戦型カードゲームを考案し、全国のコンテストで賞を獲得しました。ゲームのテーマは「天文」です。
(中学3年生/沖本正太郎さん)
「2人対戦のゲームで、小惑星を発見するゲーム。天体を発見するプロセスを簡略化したものですね」
対戦型カードゲーム、「アステロイド・トラッカー」。作ったのは、岡山理科大学付属中学校3年の沖本正太郎さん。14歳です。
ルールを考えたのも、イラストを描いたのも全部、沖本さん。自分が見つけた天体が「新しい天体」と正式に認められるまでのプロセスを楽しみながら学べます。自分の手札の天体がプロセスを進んでいくと得点がアップします。
特殊なカードを使って自分の手札を強化したり、ボーナスポイントの獲得を目指したりしながら、ゲーム終了時の合計得点を競います。
沖本さんは2025年の夏休みごろからゲームを作り始め、2026年2月にはアマチュアボードゲームクリエイターのコンテストで賞を獲得しました。
どうしてこのゲームを作ったのかというと……
(沖本正太郎さん)
「5歳の時に図鑑を買ってもらってからずっと天文が好きで」
沖本さんは小学3年生の時、高校生レベルの天文学の知識などが必要な「天文宇宙検定」の2級に合格しました。現在は合格率が2%を切るという1級への合格を目指して勉強を進めたり……
「COIAS」というウェブアプリを使い、「すばる望遠鏡」の観測データを見ながら未発見の天体を探しています。
(沖本正太郎さん)
「市民が参加して天文学を進めていく市民天文学のプロジェクトに参加して、そのイベントに行ったときに同年代の方が一人もいなかったんですよ。仲間を増やしたいというか、面白さを知ってもらいたいと思ったので、じゃあ何なら親しみやすく興味を持ってもらえるだろうと思った時に、カードゲームを作ろうとなった」
ゲームにはそんな沖本さんの思いが詰まっています。それぞれのカードには天体や研究装置などの実際の特徴や、それぞれの特徴をイメージした効果などが書かれています。
すでに発見された天体を指す「既知天体」が描かれたカードもあります。
(記者)
「先に誰かが発見した天体だったらしい。残念」
(沖本正太郎さん)
「これ(既知天体)でも天文学の発展にはもちろんデータ収集ということで貢献はできてるんですけど、それでもやっぱり発見したと思った天体が誰かに発見されていたというのはちょっと残念ですよね」
(沖本正太郎さん)
「すでに知られている天体なので有名なものを使おうということで、『イトカワ』と『リュウグウ』になっているんですよ」
正しい天文の知識に基づいたカードもあれば、ゲーム性を高めるためにこんなカードも……
(記者)
「かわいい!なにこれ!」
(沖本正太郎さん)
「ほかの絵ができるだけリアルに寄せようとしている中でゆるい感じのキャラにした。手札になかなかいいカードがなくて何にもできないときに、一気に入れ替えてしまうっていうカードです」
(記者)
「上手く使えば有利になるって感じだね」
イラストもこだわり抜いています。
(沖本正太郎さん)
「このクレーターとかもグラデーションで作ったりして、これ実際のリュウグウの岩とか(クレーターの)配置とかを参考にして作ってるんです」
(父・正宣さん)
「好きなことをしているときは時間を忘れるので、とにかく集中していて。ね、止まんないよね。乗ってきたらね」
沖本さんは2026年2月、京都大学で開かれたシンポジウムでこのゲームをプレゼンし、講評をもらいました。
(沖本正太郎さん)
「現時点で難しいっていう意見があるんですけど、やっぱり運要素が強いから、頭を使う要素も強化して面白いゲームにしていきたいなっていうのがあって。でもそれだとさらに難しくなるじゃないですか。簡単にして裾野を広げるか、それともやっぱり面白くするんだったら難しくなってしまうっていうジレンマがありまして」
現在は自宅や天文のイベントなどでテストプレイを重ね、ゲームの改良を続けています。
今後は、天文イベントで体験会を開いたり、PDF化したゲームをダウンロードできるようにしたりするなどしてこのゲームを広めたいということです。
(沖本正太郎さん)
「最初は楽しさでやってもらって、やっているうちにある程度覚えるとか、興味を持ってもらえたらいいので、入り口になれたらな」
ゲームを通じて天文の楽しさを伝えたいと話す沖本さん。将来の夢は……
(沖本正太郎さん)
「やっぱり天文の学者なのかな。でも研究分野も迷っているので、これから考えていきたいですね」
(2026年4月28日放送「News Park KSB」より)