岡山・香川の頑張る高校生を応援する青春のキセキです。今回は、日常に潜む「疑問」を探求する高校生を紹介します。
教室にあるのは、手作りの装置。真剣なまなざしで毎日実験中です。
そんな彼らの手には……マスキングテープ? 実は、日常の小さな「疑問」を探求しています。
倉敷市の倉敷天城高校。放課後の物理教室には、実験をする理数科の2年生4人の姿が。
(理数科2年/石川宗路朗さん)
「(Q.今は何をやっているんですか?)今はマスキングテープをはがしたときに、これが何回丸まるのか計測を行っています」
文部科学省の「スーパーサイエンスハイスクール」に指定されている倉敷天城。
授業の中に「課題研究」の時間があり、身近な疑問を科学で解明するため、課題ごとに班に分かれて日々、実験や観察などに取り組んでいます。
石川さんたちの班が研究しているのは、「テープをはがしたときの丸まりを防ぐ方法」です。
研究のきっかけは、メンバーの1人が作り置きのおかずを仕分けるためマスキングテープを使っていたところ不便に感じたことでした。
(理数科2年/鈴木藍さん)
「マスキングテープを取って机に貼って文字を書いた後にそれを容器に貼らないといけないのに、机からはがしたときにくるくるっとなって、もう1回貼るっていうことがしづらいのが不便だなって思って、それがきっかけになりました」
日常生活の不便さを解消するため、始まった実験。
手作りの装置を使ってテープをはがす角度や秒数など、さまざまな条件とテープが丸まってしまう数の関係性を調べました。
そして実験の結果突き止めたのが、テープをはがす角度が大きく関係していることでした。
(理数科2年/石川宗路朗さん)
「(テープの)丸まる回数が角度に比例するということが今分かっています。角度を小さくしてはがせば丸まらずにはがすことができるということが分かっています」
実際に手ではがすときは粘着面がめくりあがらないようにすると、丸まらずにきれいな状態ではがせるということです。
この研究結果をひっさげ、石川さんたちは18歳以下の学生を対象にした研究発表大会「Q-1」に出場しました。
全国から349組がエントリーし、生活の身近な疑問から社会課題までさまざまな問題を探求した成果を発表しました。
(岡山一宮高校 1年/森岡正義さん)
「質問です。この派手な色のバッタと普通の色のバッタが草むらにいたとして、どのバッタが先にカマキリに食べられるでしょう?」
大会には、岡山一宮高校1年の森岡正義さんも出場しました。
突然変異と考えられている「ピンク色のバッタ」がなぜ現れ、どう生き残っているのか解明する研究を発表しました。
石川さんたち4人も本番で堂々としたプレゼンを披露しました。
(理数科2年/石川宗路朗さん)
「マスキングテープの粘着剤の種類には、主に雑貨用や工業用に幅広く用いられているアクリル系粘着剤と、専ら工業用に用いられているゴム系粘着剤の2種類があります。どちらの粘着剤においても、鈍角であれば実験で同じように角度と巻き数の間に正の相関がみられました」
見事、349組の中から森岡さんと共に、ベスト8に選ばれました。
テープの研究結果に至るまで、何回も何回もテープを貼ってははがしてきた彼ら。机の上には努力の跡が。
(理数科2年/釜谷知明さん)
「(理由は)特にないんですけど、研究の記録として残るようにとってます。……SDGsということで。600gくらい」
(理数科2年/石川宗路朗さん)
「世の中のことを少しずつ解き明かしているなという感情が、1回1回毎回表れるということが楽しいことかなと思います」
チームの中心を担った石川さん。実は、2025年の「Q-1」には単独で出場し、中学生の頃から続けてきた「ハサミでガラスをきれいに切断する方法」の研究を発表しました。
小さい頃から日常に潜む小さな「ナゾ」を解き明かすことが大好きだったそうです。
(理数科2年/石川宗路朗さん)
「小学校の頃に、アサリなどの貝が酒蒸しにしたりすると最初は閉じた状態ですけど、加熱していくとぱかっと開くことがあるじゃないですか。そういうのがなぜ起こるのかっていうのと、時間が調理方法だったりとか(貝の)種類だとかによって変化するのかということを最初に研究を行いました。もともと母親とかがかなり自分に対して自由にさせてくれるタイプだったので、自分がちょっとやってみたいと思うことがあったらすぐさせてくれるという(家庭だった)」
小さい頃から大切にしていた「なぜ?」と思う気持ちが研究活動の原動力。今では自身の発明した道具で特許を申請するほどに。
その研究の先に見据えるのは、大きな目標です。
(理数科2年/石川宗路朗さん)
「今まではかなり自分の興味だけで研究を行ってきたんですけど、やっぱり今までいろんなことができてきたのはいろんな方のおかげ。学校の先生だったりとか家族だったりとかいろいろな方のおかげなので、そういった方に恩返しのできるものといえば、やっぱり薬学だとか医療系の研究がいちばん社会に貢献できるのかなと思うので、将来的には薬学の研究をしたいなという風に思っています」
(2026年6月17日放送「News Park KSB」より)