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顔も本名も明かさない89歳画家の作品も 長島愛生園の旧アトリエで見つかった油絵など展示 7月10日から 岡山

 岡山県瀬戸内市のハンセン病療養所「長島愛生園」に2025年オープンした資料館「でんしょう愛生館」の1周年を記念した企画展示「絵筆を手にした入所者たち」が7月10日から始まります。

 この企画展では、長島愛生園で絵を描いていた入所者のグループ「長島美術会」の会員(山本一雄さん・加川一郎さん・島村静雨さんら)が1987年以降にアトリエとして使っていた「旧新良田教室女子寮」に残されていた油絵やスケッチ、長島美術会の記録簿や美術展の看板など約35点を展示します。

 会員の1人だった入所者の山本一雄さんは、89歳になった今も、小さなアトリエで絵を描き続けています。これまでに描いた油絵は180点以上、スケッチは1000枚以上にのぼります。

 ハンセン病療養所の入所者は、かつて国が進めた強制隔離政策によって、いわれのない差別や偏見に苦しみました。山本さんは離れて暮らす家族のことを気遣い、今も仮の名前「園名」を名乗り、画家として公の場に姿を見せることはありません。

 そんな山本さんの作品は、2025年12月から2026年3月まで奈義町現代美術館に展示され、国内外から多くの人が鑑賞に訪れました。

 今回展示される「野花」は、白と赤を基調とした背景に、山本さんが好きだというゴッホを思わせる「ひまわり」や、物思いにふけっているような女性の姿が描かれています。近づいて見てみると、何種類もの色が複雑に混ざり合って、独特な世界観を生み出していることが分かります。他にも、未公開のスケッチブックが展示される予定です。

 この企画展は、12月27日まで開かれ、開館時間は月曜と祝日の翌日を除き午前9時半から午後4時までです。(月曜が祝日の場合は開館)

KSB 報道
執筆:KSB報道
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