28日、がんのため亡くなった経済アナリストの森永卓郎さん(67)。 余命宣告を受けてもなおメディアに出演し、自身の思いや社会へのメッセージを発信し続けました。
森永さんは、2000年、テレビ朝日『ニュースステーション』のコメンテーターとして、レギュラー出演を始めました。
時には、外に出て若者の声を聞き、取材しました。 しかし、森永さん本人は、レギュラーになるとは、思っていなかったそうです。
森永卓郎さん(2010年11月) 「突然、電話かかってきて、即答で、久米宏さんと渡辺真理さんのサイン入り名刺くれるなら、引き換えに出ますと。スタジオ横の打ち合わせ室に行って、私、すぐに条件の履行を要求したんです。ただ、ディレクターの人が取ってきてくれたんですよ。もう私の仕事は、そこで終わっちゃったんですね。本番は、流したんですよ。楽に久米さんとトークしてたんですけど、『森永はどんな振り方をしても、落ち着いてちゃんと答えられる』『全く緊張してない。いいんじゃないか』と」
森永さんの専門はマクロ経済。2003年に出版した『年収300万円時代を生き抜く経済学』が大きな話題を呼び、この年の新語・流行語大賞のトップ10にも選ばれました。
しかし、病魔が森永さんを襲います。 2023年、『すい臓がん』ステージ4であることを公表。その後の検査で『原発不明がん』とされ、闘病生活へ。それでも、仕事は続けました。
熱心な横浜DeNAベイスターズのファンとしても知られ、去年10月の日本シリーズも、横浜スタジアムで観戦しました。
27日は、ラジオにリモート出演しています。最後に残したのは、こんな言葉でした。
森永卓郎さん(27日) 「(昔は)いまのようにギスギスでいる文化ではなかったので、どうしたらみんなが楽しい社会、楽しい文化を追求できるのかを、いま、やっぱり問い直さないといけないんじゃないかなって、私は思う」