ロシアによる侵攻からまもなく3年となるなか、戦禍に生きるウクライナの人々の姿を捉えた写真展が東京都内で開かれています。
写真展では、報道写真家の丸山博さんが2023年12月からおよそ半年間にわたってウクライナで撮影した写真、21点が展示されています。
報道写真家 丸山博さん 「シェルターに入っていく途中に目の前で雷が落ちた以上の爆発音がしたんです。ここがそこから1キロくらいなんです。(シェルターでは)小学生くらいの女の子がずっと父親の腕をつかんで、恐怖に耐えて、そのままの姿勢でしがみついていました」
丸山さんの話をメモを取りながら熱心に聞いているのは、80年前の東京大空襲で被災した西尾静子さん(85)です。
東京大空襲で被災 西尾静子さん 「とても日本の東京大空襲と似てるようで全く違うという感想を受けました」
西尾さんは6歳の時に今の東京・江東区で被災し、いとこを亡くしました。
幼稚園の同級生20人のうち、生き延びたのは西尾さんただ1人でした。
当時の日本とウクライナの状況は、避難や支援などの面で大きく異なると話しますが、ウクライナの人々を思うとトラウマがよみがえり、震えることもあるといいます。
現在は「語り部」として戦争の記憶を証言し続ける西尾さん。悲劇を繰り返さないために、次の世代に「平和」への思いを託します。
西尾静子さん 「『戦争だめよ。平和しかないよ』と。平和を私たちは一生懸命引っ張って80年きたんだから、今度は小学生のあなたたちが引っ張っていかないと、私たちはもういないのよって」
写真展は「東京大空襲・戦災資料センター」で来月30日まで開かれています。