東京・伊豆大島で交際相手の女性の遺体を損壊・遺棄した罪に問われている男に検察側が懲役3年を求刑しました。
柳瀬宗達被告(46)は去年、大島町で交際相手の高瀬静香さん(当時37)の遺体を損壊し、遺棄した罪に問われています。
これまでの裁判で柳瀬被告は起訴内容を認めています。
今月8日の論告で検察側は「被害者は生前の姿をとどめず、ごみ同然に扱われるなど、死者の尊厳を踏みにじる悪質な犯行」と指摘しました。
加えて、これまでの裁判で弁護側が主張してきた「被告は高瀬さんの『海に散骨してほしい』という書き置きに従った。ただし、書き置きは燃やしてしまった」という点について「沖縄に行く予定があった高瀬さんが自殺するとは考えられない。被告自身に唯一、有利な証拠である書き置きを燃やしたのは不自然で、証言は信用できない」と述べました。
そのうえで、柳瀬被告に懲役3年を求刑しました。
一方、弁護側は「高瀬さんの自殺で気が動転していた」「島には崖や森があり、遺体を隠すなら別の場所に遺棄している、何かを隠蔽しようという意思はなかった」として執行猶予付きの判決を求めました。
柳瀬被告は最後に「高瀬さんを最後まで止めることができなかったのを悔やんでいます。残りの人生、二度と罪を犯さないと約束します」と涙を流しながら述べました。
裁判はすべての審理を終え、判決は30日に言い渡される予定です。