避難所に憩いの場所を提供します。西日本豪雨当日からボランティア活動を続けている男性が、無料のカフェを始めました。
(記者) 「避難所の体育館から外に出て、みんなで話してほしい。甘いものを飲んで元気になってほしいと熱い思いをこめて作ったカフェがきょうオープンしました」
カフェを作ったのは岡山市の自営業、茅野匠(45)さんです。茅野さんは、西日本豪雨の当日から被災者のために活動を続けてきました。
西日本豪雨で、倉敷市真備町の4分の1が浸水した7月7日、いてもたってもいられず自分のカヤックを車に積んで駆けつけ、12人を救出しました。 そして、7月10日からは、少しでも栄養のあるものを食べてもらうために、友人たちと協力して炊き出しを始めます。
(被災者はー) 「おいしかったです。めったに食べないものだしうれしいです」
被災者に寄り添い続けている茅野さんは、避難所での生活が続くことを心配していました。
(被災者はー) 「(Q.外に出ることはある?)まずない。外に出るっていったら、風呂場に連れて行ってもらうとか、病院に行くとか」 「(Q.ずっと小学校の体育館にいるのは?)なんかずっとやだ」
体育館で生活を続け、人と接することが減っている被災者がコミュニケーションをとって、笑顔になってもらいたいと学校の一角を借りて、カフェを始めました。
カフェの名前は「ゴリラカフェ」。茅野さんのニックネームであるゴリラを店名にしました。 茅野さんにとってカフェを作るのは初めての取り組みで、おいしく飲んでもらえるよう試行錯誤を重ねました。
(茅野匠さん) 「甘すぎん。大丈夫。ちっちゃいコップに作るわ今度」
ゴリラカフェは、被災者にもボランティアにとっても、すでに憩いの場所になっているようです。
(利用者はー) 「上にホイップクリームが乗って甘くておいしい」 (ボランティアはー) 「最近、甘いものを食べていなかったので、みんな楽しんでるのを見るとうれしいです」 (被災者はー) 「冷たくて、やっぱり甘いものがほしくなるでしょ。おいしいです」
このカフェは、茅野さんの友人から届いた支援で成り立っていて、被災者やボランティアなどに、無料で8月10日まで提供予定です。
(茅野匠さん) 「被災者、避難所の中の人、僕らもひょっとしたら働きすぎて被災者になりかねん。だからゴリラの出すカフェはみんなに飲んでもらおうと思っています」