国の文化審議会は、高松市とさぬき市にある高松藩主・松平家の墓所を「国の史跡」に指定するよう、文部科学大臣に答申しました。
高松市仏生山町の法然寺。境内の奥にある丘に墓所はあります。 江戸時代の高松藩の初代藩主、松平頼重のほか3代から8代までの藩主と正室、一族の墓合わせて222基があり、全国でも有数の規模を誇ります。
(記者) 「2つの池に挟まれた、まっすぐな参道の先に墓所があります。こうした空間構成は、浄土信仰の教えを具現化したものだと考えられています」
火と水の河に挟まれた「白道」を通り、極楽土に至るという、浄土宗の「二河白道」の教えを形にしています。
(法然寺/細井俊道 前住職) 「(境内の空間が)浄土の教えを示してますので、全体を歩いていただいて体感してもらう。歩くだけでも分かるというのが、このお寺の特徴かと思うので」
一方、さぬき市造田の霊芝寺にも松平家の墓所があります。
(記者) 「こちら、法然寺の墓所とは全く趣が異なります。正面に見える石碑の奥にある土盛りが『封』と呼ばれる、儒教式のお墓です」
霊芝寺には、水戸徳川家から養子として迎え入れられた2代・頼常と9代・頼恕の2人の藩主が埋葬されています。水戸徳川家のしきたりにならい、儒教の方式で葬られました。
どちらも、江戸時代の大名家がどのように葬られたかを知る上で貴重と評価されました。 国の史跡に指定されれば、大名家の墓所としては、全国で27件目となります。