新しい時代に向け、歴史上初めての書初めも行われました。岡山市の西大寺観音院で、はだか祭りとして有名な会陽に向けた準備が進んでいます。
事始めの前には瀬戸内市の書家・奥田桂峰さんによる書初めが行なわれました。今まで一連の行事に書初めはありませんでしたが、今年は元号が変わる年であることから、平成を振り返り、新たな時代に向けた取り組みをしようと行なわれました。
奥田さんが書いたのは「一陽来福 西大寺会陽」。「一陽来福」は、苦しみを乗り越えて暖かな春を迎えるという会陽の心を表しています。
(書家/奥田桂峰さん) 「本来は『福』が往復の『復』なんですけど、はだか祭りでめでたいということで幸福の福に字を変えて、この言葉にさせていただきました」
約1万人の男たちが宝木を奪い合う西大寺会陽は、国の重要無形民俗文化財に指定されていて、今年で510回目を迎えます。開催19日前に行われる事始めでは、宝木を作るための道具を手入れします。
(記者) 「宝木を作るための道具は、かんなやのこぎりなどその数約20点です。古いものは江戸時代から使われています」
手入れを行うのは、棟梁の次田尚生さん(80)と息子の典生さん(49)です。約30分かけて丁寧に磨いていきました。 事始めの3日後、1月30日の午前0時には宝木の材料を取る宝木取りが行われ、2月16日の午後10時に宝木が投下されます。
(西大寺/坪井綾広 住職) 「会陽は、五穀豊穣命を、恵みをたくさん豊かに育まれるようにお祈りする行事でありまして、いろんな人々が豊かに暮らしていけるように祈ってまいりたいと思っています」