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本との出会いの場を…街の診療所に小さな本屋さん 高松市

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 高松市の商店街にあるクリニックが5月下旬から、待合室の一角で本の販売を始めました。街の診療所にできた『小さな本屋さん』です。

 高松市丸亀町のドーム広場に隣接する壱番街西館の3階に今年1月にオープンした丸亀町クリニック。内科やリハビリ科など5つの科と健康診断を行っています。  この待合室の一角に5月下旬に設けられた本のコーナー。新刊本約30冊が並んでいて待ち時間に手に取って読み、気に入った本は購入することができるんです。

(記者) 「こちらの棚、ほとんどの本が、表紙が見えるように並べてあります。ビジュアルにもこだわって本を選んでいるため、表紙を見ているだけでも楽しめます」

(来院した人はー) 「こういうところ初めて見たので売ってるんだなぁとびっくりして。インテリア的にもいいですし、それが気に入ったのが買えるというのはいいですね」 「珍しいやろね。自分の気に入ったのが売ってたら、買うかも分からん」

 クリニックでは元々、スタッフが選んだ本や雑誌を置いていましたがどうしてもジャンルに偏りがあったそうです。

(丸亀町クリニック/豊永慎二 院長) 「いつ来ても同じような本が並んでたら、患者さんのほうもよく思わないかなと思いまして。そしたら、本屋さんに入ってもらって、ここを本屋にできたらなと」

 そこで、丸亀町クリニックが手を組んだのが高松市亀井町の「本屋ルヌガンガ」です。店主の中村さん夫妻の目利きで選んだ個性的なラインナップが魅力です。丸亀町クリニックの本も中村さんが一冊一冊選びました。

(本屋ルヌガンガ/中村勇亮 店主) 「健康に興味がある方が多いのかなというので健康の本を置いたり、やっぱりこれはあったほうがいいよねっていうベストセラー、樹木希林さんの本だったりも置いたり、普段は見かけない本、少し芸術系の本を置いたりバランスを楽しんでいただければなと思ってます」


(記者) 「こちらのクリニックがある場所、実は本と縁があるんです」

 元々、この場所にあったのは、紀伊國屋書店高松店。丸亀町の再開発にあわせてオープンし、10年あまり営業していましたが、2017年5月に撤退しました。

 出版不況で書店を取り巻く環境が厳しい中、目指したのは「本と出会う場所」の提供です。

(丸亀町クリニック/豊永慎二 院長) 「ネットで購入ということもあると思うんですけど、実際に手に取って、どういう本が面白いか、手に取って少し読んで決めるというのが僕は好きなので」

(本屋ルヌガンガ/中村勇亮 店主) 「ふだんあまり本屋に行かない方でもこういう本があったんだっていうふうに見つけていただいたり、本って面白いなって気づく空間になっていただければ」

 置いている本は定期的に入れ替えを行います。丸亀町クリニックでは、好評ならスペースを広げることも検討するそうです。

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