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「自分が写ってたら持って帰って」被災地でシャッターを切り続け10年…香川県出身カメラマンが見せたい“幸福”

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 東日本大震災をきっかけに香川から被災地に移住し、2021年3月に「幸福」をテーマに写真展を開いた香川県出身のカメラマンがいます。今、被災地から届けたい思いとは。

(香川・まんのう町出身/平井慶祐さん)
「他人にとってはそんなに取るに足らないような技術もいらない写真だと思うんですけれども、でもその人にとってはとても特別な意味を持つことがあるんだなと」

 香川県まんのう町出身の写真家・平井慶祐さん(42)。東日本大震災が起きた後にボランティアとして宮城県石巻市を訪れました。

(香川・まんのう町出身/平井慶祐さん)
「そろそろ写真の力が必要だよって声掛けてくれて、記録広報班ということで写真を現地で撮らせてもらって発信するという役割で石巻に初めてやってきました」

 3月6日。平井さんは石巻市で写真展を始めました。テーマは「幸福」です。

(香川・まんのう町出身/平井慶祐さん)
「幸福とはこういうものだというのを『見てくれ』っていう感じでは全くなくて、そうではなくて、みんな幸福であってほしいなということを願う写真展だったり、写真集だったり」

 平井さんが10年間でシャッターを切った回数は約40万回。
 写真展ではその中から選んだ約80枚を大きく。約3400枚を2L版の写真にしました。

 自分が写っている写真があれば持って帰ってもらうことにしています。

(香川・まんのう町出身/平井慶祐さん)
「『あぁ!誰々さんだ!』とか友達を見つけては『これ持って行ってあげてもええ?足悪くなって多分来れんと思うから』みたいな。思いがけなく、たくさんの方に写真をお渡しできている感じで」

被災地で感じた「今」を残しておく大切さ

 平井さんが香川県に帰省した時に撮った家族写真があります。

 被災地で写真を失くした人や、1枚の写真に喜ぶ人たちと接する中で「今」を残しておく大切さを感じたことが、この写真を撮った理由の1つでした。

(香川・まんのう町出身/平井慶祐さん)
「親父とかは何で撮らないかんのやみたいなそういう空気感出すじゃないですか、でもそのわざわざやることが後々見返してみると、あの時撮ってよかったなというのを自分が体験しているので」

「11年目」がまた始まる

(来場者と平井さんのやり取り)
「家に来たら思い出すかもね、あのがれきのところね」

(香川・まんのう町出身/平井慶祐さん)
「今の方もボランティア時代に10年前に、家の片づけじゃないけど大切な着物が入ったたんすが開かないって言って、それを僕の友達と一緒に開けたことがあるお母さんなんですけど。3月11日、10年目が一区切りで、それがイベントごととして終わってしまうわけではなくて。10年と1日目、2日目と11年目がまた始まりますし、10年目よりそっちの方が大きくて、そこで終わりっていうんじゃなくて続いていくみたいなことをやりたくて」

 平井さんはこれから1年間かけて「10年の幸福写真」という写真集を制作する予定です。

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