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「常に理想を掲げる」 子孫が語る…渋沢栄一が残した言葉とコロナ禍に生きる“ヒント” 香川

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 2021年の大河ドラマの主人公で、2024年からは新しい「1万円札の顔」にもなる渋沢栄一。今回は、その玄孫(やしゃご)にあたる男性に渋沢栄一について、そして香川出身の人物について聞きました。

 新しい1万円札の顔としても注目の「日本資本主義の父」といわれた渋沢栄一。その子孫に当たる渋澤健さんが5月、高松市を訪れました。

(渋沢栄一の玄孫/渋澤健さん)
「時代背景は違うけれども同じような思いを今の時代に表現すると十分に生きてくる」

 渋澤健さんは渋沢栄一の玄孫に当たります。長く金融業界に携わり、現在は投資信託会社の最高責任者を務めています。
 投資に関するものに加え、高祖父である渋沢栄一についてさまざまな本も出しています。

Q.渋沢栄一のすごさはどこにあると思いますか?
(渋澤健さん)
「一言でいうと『未来志向』があったことだと思うんですね。その新しい日本の社会のためには民間の力を合わせてそれによって新しい社会を作るんだっていうそのような思い、そしてその思いだけではなくその行動力ですよね」

 現在の埼玉県深谷市に生まれた渋沢栄一は、江戸幕府最後の将軍・徳川慶喜に仕えました。明治以降は銀行や鉄道、建設業など500以上の会社の設立や運営に関わりました。そのため渋沢栄一は「日本資本主義の父」とも呼ばれています。

(渋澤健さん)
「渋沢栄一は資本主義という言葉は使っていなくて、代わりに使った言葉が『合本主義』だったんですね。合わせる本(もと)です。一人一人の思いとか一人一人の行動ですよね、これが合わさることによって同じ方向に流れ始めると新しい社会、時代を築くことができるそういう考え方だったんです」

 教育や社会福祉事業にも力を入れていた渋沢栄一。その理念を自ら書き記したのが「論語と算盤」です。

(渋澤健さん)
「『経営者1人がいかに大富豪になってもそのために社会多数が貧困に陥るようなことではその幸福は継続されない』って言ってるんですよね。『論語と算盤』とSDGsはすごく同じこと違う時代、違う言葉、文脈で話してるんですけどエッセンスは同じだと思うんですよね」

 渋沢栄一の後を継いで東京商工会議所の会頭をつとめるなど、右腕として活躍した人物が香川出身の中野武営です。

 渋澤健さんは、特に中野武営が香川のインフラ整備を積極的に推し進めたことに注目しています。

(渋澤健さん)
「当時の社会で必要な民間からのインフラを提供するということが多分渋沢栄一の考え方であって、恐らく中野さんも当時この地域で同じことを考えていらっしゃったんでしょうね。もっと中野武営さんのことを私も研究してみたいと思います」

 新型コロナウイルスのまん延で社会が変革を求められる中、渋澤健さんは渋沢栄一の言葉にヒントがあると感じています。

(渋澤健さん)
「渋沢栄一の言葉を借りれば、常に『こうしたいああしたい』という理想を掲げることだと思うんです。今のコロナの時代ではできないことが圧倒的に多いじゃないですか、昔と比べて。だけど『こうしたいああしたい』というベクトルを立ててると、手段は選べばいずれできる方にシフトするってのはあると思うんですよね。それが大事なんじゃないかと思いますけどね」

 渋澤健さんは、「渋沢栄一は子孫に財産を残さない人だと思っていたが、『言葉』という相続税もかからない素晴らしい財産を残してくれた」とも話していました。

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