料理動画で人気を集める「おばあちゃんYouTuber」が香川県まんのう町にいます。発信しているのは、50年近く培った「おふくろの味」です。
わずか1年でチャンネル登録者数は約18万5千人
(田舎そば川原/川原恵美子さん[75])
「ユーチューバー・バアなんですよ、ハハハ……。ユーチューバーという年は終わってババアですけどね、それも幸せの一つですからね、頑張れるから、頑張りたいと思います」
(YouTube撮影の様子)
「こんにちは、田舎そば川原です。きょうは大変貴重なぬか床の作り方をしたいと思います」
「出てきました、すごいすごい、立派立派、元気にできてるわ」
まんのう町で「田舎そば川原」を営む川原恵美子さん、75歳です。2020年5月から、家庭でできる料理のレシピやアイデアを紹介する動画をYouTubeで配信しています。
スタートからわずか1年ほどで、チャンネル登録者数は約18万5000人、総再生回数は902万回を超えています。
キュウリのワサビ漬けを作る動画は99万回再生。煮卵を作る動画は128万回再生。そして、最もバズった動画は……。
知っているようで知らない?そうめんの「ゆで方」
(YouTubeより)
「そうめんのおいしいゆがき方というのは、粘らせないことなんです」
時間が経ってもそうめんがくっつかない「ゆで方」を紹介する動画です。沸騰したお湯にそうめんを入れたあと、すぐに火を止めて余熱で5分ほど温めると……。
(YouTubeより)
「頼りないように思うけど、本当においしい、これを10分置いても15分置いても粘りません」
ぬめりをしっかりとることもポイントです。知っているようで、意外と知らないアイデアに、視聴者からはこんな声が。
(YouTubeの視聴者は―)
「そうめんのゆがき方なんか知っとるわと思って見たら、全然知らんかった」
「なんだ、この説得力は……すぐ家で実践する」
(YouTubeより)
「子どもと同じですから優しくなんぼぬめりを取るというても優しくしてくださいね、お料理ですから」
この動画は、公開から2週間ほどで約222万回も再生されています。
長年培った「知恵」と「経験」を役立てたい
動画で紹介している内容は、川原さんが50年近く書きためたものです。
(田舎そば川原/川原恵美子さん[75])
「何百もあるわ、このラッキョウ漬けでも同じのが10枚ぐらいある」
長年培った「知恵」と「経験」を、生まれ育った地域や若い世代のために役立てたいと、YouTubeで情報を発信することを決めました。
(田舎そば川原/川原恵美子さん[75])
「まんのう町がこれから少しでもよくなっていけば、きょうまで元気でおられたかいがあるかなと。まんのう町のために何かひとつ、今までのことを残していけたら幸せかなと思って」
最新の動画は、手作りのマヨネーズを使ったそうめんサラダ。地元の野菜がたくさん入って、栄養バランスも抜群です。
(YouTube撮影の様子)
「おそうめんはゆがいたらダメなんです。ここですぐに火を止めて」
「切りもって食べたいわ、皆が見よる……やめとかな。笑われたらいかんけん」
分かりやすく丁寧な解説と、温かい人柄も、幅広い世代のファンから人気を集めています。
(田舎そば川原/川原恵美子さん[75])
「大変なことは大変なんですけど、私には幸せにつながっているんです。本当に視聴者の皆さんが励ましてくれて、元気でいてくださいね、癒やされます、お母さん、という言葉をいっぱいいただくんです。それが、心の栄養剤になっているんです。これからも気長に助けていただきたいと思ってお願いしたいです」
動画を見た人が店にそばを食べに来るなど、大きな反響があるそうです。川原さんの動画は、原則週3回、水曜、金曜、土曜の午後6時に公開しています。
[YouTubeチャンネル]田舎そば川原