先祖を供養する「お盆」。
かつては仏壇がある広い和室に大勢の親戚が集まる光景が見られましたが、生活様式や住宅事情の変化で処分される仏壇も増えています。そんな仏壇に新たな価値をつけて生まれ変わらせる「アップサイクル」の取り組みを高松市の企業が始めています。
(中濱綾那リポート)
「こちらの手元供養台、実は古い仏壇を新しく作り変えたものなんです」
仏教とゆかりが深い「ハスの花」をトレードマークにした、小さなスペースに置くことができる供養台です。
「アップサイクル」とは、廃棄されるものや使わなくなったものを再利用できる素材に分解する「リサイクル」に対し、素材の魅力を生かしながら新たな価値を付けて再び社会に流通させる取り組みです。
仏壇のアップサイクルを考えたのが高松市で線香やお香の製造販売を手掛ける岩佐一史さんです。
(株式会社 一/岩佐一史 社長)
「仏壇自体は元々和室に合うように作られておりますので近年の住宅事情によって洋風なお家は増えているので和から洋に変えるというようなデザインの変化といこうということがテーマ」
岩佐さんは高松市にある木材店と一緒に、7月下旬からアップサイクルの受注注文を始めました。
(中濱綾那リポート)
「古い仏壇にはおよそ70年以上前の杉の一枚板など貴重な木材が多く使われています」
仏壇の所有者は高齢者施設に入所することが決まっていて、施設内でも置けるような形にしたいという要望がありました。
(株式会社 一/岩佐一史 社長)
「お仏壇自体の新しい世代へ伝えていくという形を模索していく中で古くちゃんとしたものの一部をせめて使って後世へ伝えていこうということからアップサイクルしようと」
仏壇を分解して必要なパーツを集めた後に、古い木材をレーザー加工しオリジナルの手元供養台にデザインします。
仏壇の大きさにもよりますが価格は約10万円からです。
さらに、アップサイクルした仏壇のデザインに合わせた宝珠型のお香入れなども加工・販売しています。
(株式会社 一/岩佐一史 社長)
「引っ越しだったり高齢者施設だったりと、いろいろなことが変わる中で、代々受け継がれていくお仏壇というものも変化するタイミングでもありますので、その方々に合わせて新しい形に生み出すお手伝いをしていきたいと思っております」