甲子園の熱戦が続く夏の高校野球。テレビで応援している方もいると思いますが、そんな高校野球のテレビ中継に「AI」を活用しようというプロジェクトが進んでいます。
香川高専詫間キャンパスの学生が見ているのは球場のスコアボードを映した動画。テレビの野球中継で表示されるボール、ストライク、アウトのBSOカウント。審判の判定にしたがって「人の手」で入力していますが、これをAIを活用して「自動化」することに挑戦しています。カギを握るのが球場の「スコアボード」です。
(香川高専詫間キャンパス/山田斉さん)
「ストライクになったときにライトが点灯しますので、そちらをカメラで見ることによって、ストライクが『1』ついたなということをみようとしています」
学生たちは、スコアボードにBSOの全てのパターンを表示して撮影。次にBSOの表示部分だけを切り出した画像を作成し、人の手で正しいカウントを入力します。これを「タグ付け」といいます。
AIにタグ付けした画像を学習させることで判別できるようになります。更に香川大会中にもスコアボードを撮影。画像を切り出して学習用データとして蓄積します。
合わせて、こちらも中継には欠かせない「球速の表示」にも挑戦します。
この日、14試合分、約1万8000枚のタグ付けと学習が終わったということで学生たちをたずねました。
(香川高専詫間キャンパス/山田斉さん)
「今回はBSOと球速のタグ付けアプリを作りまして実時間で言うと10倍近く早くタグ付けをすることができました」
AIの精度を確かめるため香川大会決勝の動画を使って実際に判別させてみると――。AIは1回の表裏に関して1度も間違えることなくカウントと球速を表示しました。
天気による影響を防ぐため学生たちはさらに多くの試合を「タグ付け」しAIの精度を上げるようです。
(香川高専詫間キャンパス/山田斉さん)
「気候っていうのは同じ日は無いですし、どんな天気もあると思いますので、データは入れれば入れるほどいいと思います」