今回は私たちの暮らしについて考えます。10月に総務省が発表した物価の変動を表した指標「9月の全国消費者物価指数」。2021年の同じ月と比べると品目別でみると、生鮮魚介は16.5%、穀類が7.2%、電気代が21.5%など、上昇しているのが分かります。
物価の高騰の波で家計の負担が増える中、値上がりしていない食材や節約につながる家電が注目を集めています。
物価高騰で家計応援 注目の食材や家電
街の人は――。
(年金で生活 60代)
「今年の夏は(電気代が月)3万いくら。結構かかったんですよ、びっくりするぐらい。エアコンつける部屋を少なめにして、なるべく1カ所ぐらいにして、電気代は節約しないとと思っています」
(子育て中 30代)
「いろいろ高いから逆に買わない。買い控えしてるかも。将来的なこと、子どもができたからこそ考えるようにはなってますね」
さまざまなモノが値上がりし家計への負担は増えるばかりです。民間の信用調査会社帝国データバンクは、相次ぐ食品の値上げによって家計への負担は年間で約7万円増えると試算しています。
そうした中で、こちらの食品スーパーでは、ある食材の活用を呼び掛けています。
(天満屋ストア 営業本部/岡崎遼 係長)
「例年に比べて相場が安定しているコーナーをお客様に家計応援として販売させていただいております。岡山県産ですね。他県に比べても非常に値段が安くお客様に提供させていただいております」
(松木梨菜リポート)
「こちらのスーパーでは岡山県産の野菜を約30種類販売しています。地元の農家の方が商品の陳列までを担うことで輸送コストの削減などにつながっているといいます」
岡山県産の野菜は地元農家から直接買い取っているため、仲卸業者などの仲介料も発生せず、価格を抑えられているということです。
天満屋ストアによると、さまざまな食材が値上がりする中でも岡山県産の野菜の価格は「2021年と変わらない」ということです。
中には2021年より価格が下がっている野菜も……。それが「レタス」です。9月の消費者物価指数を見てもレタスなどの生鮮野菜に関しては2021年の同じ月より6.7%下落しています。
このほか鮮魚コーナーでは――。
(天満屋ストア 営業本部/岡崎遼 係長)
「岡山市場で当社の仕入れ担当者が直接仕入れた商品が非常にお買い得になっております。こちらの商品は全て天然」
天満屋ストアによると「天然の魚」の中には「養殖もの」の半値ほどで売られているものもあるそうです。
(天満屋ストア 営業本部/岡崎遼 係長)
「(養殖魚は)円安の影響、また運賃コストの高騰によって非常に魚価が高くなっています」
これからの季節に食べたくなる鍋。2022年の冬は岡山県産の野菜に天然の魚を使った鍋が家計には優しそうです。
一方――。
(松木梨菜リポート)
「こちらの家電量販店で今よく売れているのが、こちらの電気ストーブです。こちらの商品、電力の切り替えが11段階でできるんです」
(ベスト電器 岡山本店/芳野真澄 フロア長)
「電気ストーブの場合、本来ですと切り替えがせいぜい2段階とかで。ご自分の体感によって調整していただければ。こちらの商品は約330Wから最大約1150Wまで11段階の電力を選ぶことができます」(コアヒート 3万7180円 ※取材時)
メーカーによると、1150Wで1時間使った場合の電気代は31円ほど、330Wでは9円ほどだということです。また、センサーが人がいないことを感知すれば節約した運転に切り替わり、通常運転よりも15%ほど省エネになるということです。
(ベスト電器 岡山本店/芳野真澄 フロア長)
「省エネ家電を使っていただければ極力抑えられると思います」
物価高騰の波は来年も? 「消費の現状」は
11月に値上げとなった食品は約770品目で、2022年で2番目に少ない品目数ですが、値上げの波は2023年も続きそうです。帝国データバンクは2023年の値上げ予定品目は2000品目を超えるとしています。最大の要因は「円安」です。
物価高騰が続くと「買い控え」がおきそうですが、経済産業省の商業動態統計によると2022年9月、全国の小売業の売り上げ額は2021年の同じ月より4.5%、前の月と比べても1.1%増えました。
物価高も消費は「回復」か 専門家が語る期待感
消費が回復しているようにもみえるこの状況に、専門家も期待しています。
(日本政策投資銀行 岡山事務所/森脇大輔 所長)
「岡山でもホテルの事業者に聞きますと、全国旅行支援の効果で稼働率が平日も含めて9割程度に急回復していると。旅行しようとか外出しようとか、だったら洋服も新しく買おうとか、購買行動につながっているとみてとれる」
地域経済に詳しい専門家は10月11日に始まった「全国旅行支援」や外国人観光客の個人旅行解禁の効果で、消費は少しずつ回復していると分析しています。
物価高が続いてはいますが、こうした「消費の回復」が「収入の回復」につながることが期待されます。
(日本政策投資銀行 岡山事務所/森脇大輔 所長)
「インバウンドの消費等も増えてくるということで、消費が増えると、そこに係る事業者の収入が増えるので、賃金水準の引き上げですとか、新型コロナ禍でボーナスが出なかった事業者も一人一人の収入が回復してくるというところが大いに期待されるところではありますね」