国の方針に基づき、岡山県では公立小・中学校に通う子ども全員にデジタル端末が配布されています。授業での活用も進む中、学びを深める新しいコンテンツも注目を集めています。
倉敷南小学校・3年生の国語の授業。絵を見てそれを表す文章を書く練習です。
児童たちは授業の中で4人ずつのグループに分かれました。それぞれのデジタル端末の画面に表示しているのは、他の人が書いた文章です。
子どもたちは、自分が書いた文章をグループ全員に共有し、端末を見ながら人の文章にアドバイスしたり、それを元に文章を書き直したりしていました。
(倉敷南小学校/青木陵 教諭)
「いろんな人の意見を見たり、資料もいろいろアクセスできるので、子どもたちがいろいろな情報に触れやすくなった。そこをヒントに自分の学習を進めやすくなった」
岡山県教委によりますと、こうしたデジタル端末を使った「資料や意見の共有」は、多くの学校で実践されていて、これまでよりスムーズにできるようになりました。
(児童は―)
「やっていて楽しいし、やりやすい」
「画像とかを見ながらみんなの意見を聞けるから、なるほど~って思える」
「自分の考えと違いが分かるようになった」
(倉敷南小学校/青木陵 教諭)
「デジタルだからできることはあるし、いろいろできるがゆえに、逆に気を付けないといけない。モラルのところをきっちり押さえながら、『できること』と『していいこと』は決して一緒ではないので、できることから『これをやるんだ』というのを選べるように意識していきたい」
2022年4月の文部科学省の調査によりますと、岡山県の小学6年生で端末を「授業で毎日活用している」と答えたのは24.8%でした。
県教委は2024年度末までにこれを100%にしようと利用促進に取り組んでいます。
そんな中、県教委が2021年10月に開設した学習動画サイトが注目を集めています。その名も「まなびとサーチ」です。
(岡山県教委 生涯学習課/石川雄大さん)
「新型コロナのタイミングというのは、子どもたちの校外学習等の学びのきっかけが減少している。(校外学習を)せめて動画でということで、コンテンツサイトを立ち上げた」
「まなびとサーチ」では、県内産業の工場見学や、地元で働く人の仕事見学など、校外学習を疑似体験できる動画コンテンツを300本近くアップしています。
(使ったことがある児童は―)
「『鉄の作り方』で調べたら動画が出てきた。むっちゃ分かりやすかった。しかもさ、さわって動かしたりしたら、周りとか映してくれるから分かりやすかった」※VRのこと
閲覧数は徐々に増加していて、12月は1カ月で1万6000の閲覧がありました。
県教委ではコンテンツをさらに充実させる他、教師向けの動画の使い方リストを掲載して、授業での利用促進も図っています。
(岡山県教委 生涯学習課/石川雄大さん)
「ここを最初の一歩に、『学びの扉』を開いてほしい。動画を見て面白いな、興味を持ったなというものがあったら、ぜひその(地元の)施設に足を運んでいただいて、本物に触れて学びを深めていってほしい」