Park KSBアプリに皆さんから寄せられた疑問をもとにお伝えする「みんなのハテナ」です。今回は「バレンタイン」に関するハテナです。
「バレンタインデー」と言えば「女性から男性にチョコレートを渡す」というイメージも強いですが……。
「チョコを贈るようになったのはいつごろから?」こぼんちゃん(61) 三豊市
1950年創業のメリーチョコレートに聞いてみました!
(メリーチョコレートカムパニー 広報宣伝部/松尾智恵子さん)
「これは1958年、昭和33年に始まりました。当時のメリーチョコレートの社員が、2月14日には海外で花やカード、チョコレートを贈る慣習があるというのを聞きまして」
メリーチョコレートによると65年前、海外の慣習に注目した社員が「販売促進につなげよう」と、東京都内の百貨店で日本で初めての「バレンタインフェア」を開いたそうです。
しかし……。
「バレンタインというもの自体を知る人が本当に少なくて、バレンタインフェアの初年の売り上げは、板チョコが3枚とメッセージカードが1枚、合計170円の売り上げでした」
最初はうまくいかなかった「バレンタインフェア」ですが、徐々に環境が変わってきたそうです。
「翌年(1959年)には女性週刊誌が発行されたり、女性の社会進出というのも目立ってきて、もっと女性が発言してもいいのではないか、女性の価値観とかライフスタイルが変わってきた」
戦後の高度経済成長期の中で女性の社会進出が進んだこの時代。初めてのバレンタインフェアの翌年、メリーチョコレートは「女性から男性に1年に1度愛を伝えることができる日」のキャッチコピーとともに、ハート形のチョコレートを販売しました。
チョコレートに自分と相手の名前を書き込むというアイデアが、当時の女性の注目を集めました。
「創業してから、なかなかチョコレートを手に取ってもらえない、手に取ってもらうにはどうしたらいいか、というのを考えて、時代の流れを読み取って自社のチョコレートを普及させた」
その後、「チョコレート」は時代とともに変化していきます。
メリーチョコレートによると、バレンタインにチョコレートを贈る文化が全国に広まったのは1970年代。このころは「恋人に愛を伝える」ことが主流でした。
バブル景気で盛り上がる1980年代には、少し遊び心のあるものも登場しました。またこのころ、恋人だけでなく友達や職場の男性にも渡す、いわゆる「義理チョコ」が生まれたとされています。
1990年代には、海外ブランドのチョコも人気が高まり、パッケージやデザインも華やかなものが増えてきました。
2000年以降には、「友チョコ」や自分のための「ご褒美チョコ」など渡す相手もより幅広くなりました。
「女性が愛を伝えるということから始まりましたけど、結局はチョコレートを楽しくおいしく、気軽に食べていただきたいという思いがありました。いま、1月・2月は本当にチョコレートを食べられる、チョコレートの旬と言っても過言ではない。ご自分でのご褒美チョコ、お友達や家族の方にあげたり、チョコレートを食べることを楽しんでいただきたい」
ちなみにメリーチョコレートは、バレンタインの文化を日本で提唱・発展させたとして2013年に「一般社団法人 日本記念日協会」から「記念日文化功労賞」を贈られました。
そんなメリーチョコレートに2023年のトレンドを聞いてみると……。
「ご自分の好きなこと、好きなものを通じて知り合った方と、見せあったり、シェアしたいという思いが強まっていると思います。チョコレートが気持ちを繋いでいくということが、今すごく傾向としては強まっている」