高松市の香川大学の近くにあるさぬきうどん店が3月末に閉店することを決めました。決断の背景には、原材料費の値上げに加えて、先の見えない電気代・ガス代の高騰がありました。
(吾里丸うどん2 店主/渡辺錦司さん)
「いつかは戻るだろうって、期待はしていたんですけど……そこまでいかなかったですね」
高松市宮脇町にあるうどん店「吾里丸うどん2」。7年前に閉店したうどん店「吾里丸」を引き継ぎ、2017年7月にオープンしました。
香川大学から近く、お客さんの半数ほどが学生で、午前の授業が終わる正午過ぎから多くの人でにぎわいます。
そんな「吾里丸うどん2」が、3月26日をもって閉店することになりました。
(吾里丸うどん2 店主/渡辺錦司さん)
「コロナから数えて2年、3年、4年目ですかね。3年間はずっと赤字だったので、4年目でこれからよくなるかなと思っていたところ、こんな感じになったので、ちょっともう追い付かない……」
新型コロナの影響で大学の授業がオンラインになるなど、一時は4割ほど減った客足が少しずつ戻り始めた矢先。小麦を始め、食用油や醤油など原材料費が上昇しました。
2022年3月にうどんを値上げして対応しましたが、その後、電気代とガス代の高騰が続きました。
電気代の請求は、2022年1月から倍増し、1月は約20万円に。ガス代は2022年1月の1.5倍に当たる14万円ほどになりました。
従業員の給料の支払いにも遅れが出てきたことなどから、閉店を決断しました。
(吾里丸うどん2 店主/渡辺錦司さん)
「もっと体力がね、体力というか資金面とか、そういうものがあればね、もう1年くらいは続けられるのかなと思うんですけど、もうちょっとここまでが限界」
「本場さぬきうどん 協同組合」によると、コロナ禍以降、香川県内の約600のうどん店のうち、少なくとも20店舗が廃業したということです。
中には、原材料費の上昇に伴いうどんを値上げしたため、電気代・ガス代が高騰しても値上げに踏み切れず、やむなく廃業を選ぶ店もあると言います。
(吾里丸うどん2 店主/渡辺錦司さん)
「来ていただいた方に、今までの感謝の気持ちを込めてうどんを作って提供して、そして、明るくあいさつして、そういったことで理解いただいて、それで終わりたい」
「吾里丸うどん2」の定休日は日曜日ですが、3月は休みなく営業します。