水害が起こった時、障害者が逃げ遅れないようにするための避難訓練が岡山市で行われました。
避難訓練は、線状降水帯の発生で大雨が続き、百間川で氾濫の危険性があるという想定で行われました。
企画したのは、重度の障害がある人へのヘルパー派遣事業などを行なっている井原市の会社・土屋です。
岡山市に住む水島恵さんと夫、長男が訓練に参加しました。3人とも視覚障害があり、避難するには助けが必要です。
今回はヘルパーが家に来られないという想定で、水島さんから連絡を受けた近所の人が助けにやってきました。
水島さんは助けを借りながら必要なものをリュックに詰めました。また、ガスの元栓を閉めたり、電気のブレーカーを落としたりしました。
2018年の西日本豪雨では、倉敷市で52人が亡くなり、このうち12人が身体障害者でした。
(土屋/岡田千秋さん)
「今回のようなヘルパーが行けなかった場合、ご近所の力を借りるとか、みんなで誰一人取り残さない」
水島さん一家は、近所の人の助けで、岡山市中区の福祉避難所となっている特別養護老人ホームまで避難しました。
(訓練に参加[視覚に障害]/水島恵さん)
「地域の方に助けていただくことの方が多いので、声を掛けていただくだけでもすごく安心感があります」
(岡山市民生委員・児童委員/藤村由利子さん)
「高齢者家族とか障害者の方とか町内にいらっしゃるので、ご近所で(防災について)考えています」
避難訓練を企画した土屋では今後、課題などを検証し、利用者への避難指導などに活用するということです。
そして、避難の判断基準の一つになるのが、気象台が発表する「注意報」や「警報」です。
気象台は毎年「大雨」と「洪水」の注意報・警報に関して、過去の災害や気象データを基に発表基準を見直しています。
そして、6月8日には岡山地方気象台・高松地方気象台ともに「洪水」の注意報・警報の発表基準を変更しました。
このうち倉敷市などを流れる小田川が2018年の西日本豪雨で決壊したことなどを踏まえて、気象台は判断基準とするデータを変更。新しい基準で「注意報」「警報」を出すことにより、より適切な避難行動につなげたいとしています。
新しい基準は気象庁のホームページで掲載されている「キキクル」に反映されています。大雨の時などは身近な状況などをしっかり確認するようにしてください。