防災の話題をお伝えする「こつこつ防災」です。大雨による被害で近頃、多発しているのが「線状降水帯」です。気象庁は、線状降水帯の発生を知らせる情報の発表をこれまでより最大30分早める新しい運用を始めました。
6月2日、高知県や静岡県など6つの県で線状降水帯が発生し、各地で冠水や土砂災害などの被害がありました。
「線状降水帯」とは、発達した雨雲が次々と発生し、同じ地域に長い時間強い雨を降らせる現象です。
気象庁は、2021年6月、線状降水帯の発生をリアルタイムで知らせる「顕著な大雨に関する気象情報」の運用をスタート。
運用開始以降、岡山・香川では線状降水帯は発生していませんが、国内で相次いで発生していることから気象庁は、5月25日に運用方法を変えました。
これまでは線状降水帯が実際に発生し、土砂災害や洪水の危険性が高まった際に情報を出していました。新たな運用では、線状降水帯の発生が予測された場合に「実際に発生した」とみなして発表することにしました。この結果、これまでより最大で30分早く線状降水帯の発生情報を伝えられるようになるということです。
(岡山地方気象台/胡未知人さん)
「非常に強い雨、猛烈な雨が長い時間降り続くということで、災害の危険性が高まりますので、少しでも早めに情報を発表することで早めの対策、防災対応につながれば」
今回、前倒しでの発表が可能になった背景には、「予測精度の向上」があります。気象庁は、2019年7月から2022年10月までに降った大雨を分析しました。
「30分以内に線状降水帯が発生するだろう」と予測したうち、実際に線状降水帯の発生基準を満たす大雨が降った割合は84%だったということです。
線状降水帯の発生は災害の危険がすぐそこまで来ていることを示しています。
岡山地方気象台は「ハザードマップを確認したり防災グッズを用意したりして、素早く避難できるように日頃から備えてほしい」と呼び掛けています。
(岡山地方気象台/胡未知人さん)
「自分の身を守ることを第一に防災対応の行動をとってほしい」
気象庁が運営する「キキクル」では、住んでいる地域の災害の危険度についての情報をスマートフォンなどで簡単に確認できます。災害情報を集める手段のひとつとして活用してほしいと思います。