夏の高校野球・岡山大会。14日、エイコンスタジアムでは岡山芳泉と倉敷青陵が対戦しました。
芳泉3年生のキャッチャー、虫明空(むしあけ・そら)。もう1人いた同級生の部員が2023年3月に退部した後、「たった1人」で14人の後輩を引っ張ってきました。
(芳泉/虫明空 主将[3年])
「寂しい気持ちもあったんですけど、2年生とかがしっかり話してくれて、部活をやるのも楽しくなってきた。ピンチの時こそみんなを鼓舞できるようにしっかり声を出していけたら」
1回、芳泉は先発の1年生・難波が連続ヒットを浴び、満塁のピンチを迎えます。ここで、キャッチャーの虫明はすかさずマウンドへ行きます。
(芳泉/虫明空 主将[3年])
「初めての夏の大会で緊張していたと思うので楽しんで、体を大きく使って投げようって」
この回2点を先制されますが、虫明は先輩として、後輩を支えます。すると3回には芳泉の1年生ショート・田中が三遊間の深い当たりを好守でアウトに。後輩たちも先輩を支えます。
反撃したい芳泉ですが、1人もランナーを出せないまま5回の攻撃に。先頭の4番・虫明がセーフティーバントを試み、何とか出塁しようとしますが、出塁ならず。それでもその姿を後輩は見ていました。
(芳泉/坂田隆一朗 選手[1年])
「ヒットが1本も出ていなかったので、先輩のためにもチームのためにも絶対自分が打つという気持ちで入りました」
続く5番・坂田はセンター前にチーム初ヒットを放ちます。
試合は、効果的に得点を重ねた青陵が7回コールド勝ち。後輩たちを支え、後輩たちに支えられた虫明の夏が終わりました。
【青陵 11-0 芳泉(7回コールド)】
(芳泉/虫明空 主将[3年])
「負けてしまったんですけど、後輩と野球ができてめっちゃ楽しい夏でした」