防災の話題をお伝えする「こつこつ防災」です。赤と白の格子模様の旗、どのような場面で使われるものか皆さんは知っていますか? この旗が振られたら「危険が迫っている」というサインなんです。
(高松地方気象台 地震津波火山防災情報調整官/新納孝寿さん)
「赤と白の4つの格子状の旗をご覧になったら、これは『津波警報が発表された』という意味になりますので、こういう旗を見られたらすぐに避難をしていただきたい」
これは「津波フラッグ」と呼ばれる旗で、主に海水浴場で使われます。
津波フラッグを振って、海水浴客や聴覚障害者らに対して「視覚的」に危険を伝えて速やかな避難を呼び掛けます。
「津波フラッグ」は「東日本大震災」の教訓を踏まえて、2020年6月に気象庁が運用を始めました。
(高松地方気象台 地震津波火山防災情報調整官/新納孝寿さん)
「3.11のときもあったんですが、耳の不自由な方は避難ができずに津波に巻き込まれて亡くなったという事例があったようでして、耳の不自由な方にもなんとか津波警報の発表を知っていただきたいというところから『視覚的に訴える』という効果を求めてこういう旗を始めた」
最大クラスの南海トラフ地震が発生した場合、岡山県では最大3.4m、香川県では最大3.8mの津波が想定されています。
一方、気象台はたとえ30cmの津波でも危険だとしています。
(高松地方気象台 地震津波火山防災情報調整官/新納孝寿さん)
「海岸にいて普通の波が30cm来ても、ぱしゃっと濡れてたいしたことないやと思われるじゃないですか。表面だけの水がぱしゃっと動く現象です。津波というのは全ての海水が30cmあがってきて、ずっと継続して続くと。大人でもなかなか歩きにくくなるんですけど、子どもの場合は流されてしまうことが考えられる」
2023年6月までに、岡山県では海水浴場がある6つの自治体のうち2つが、香川県では9つの自治体のうち6つが、「津波フラッグ」を導入しているということです。気象庁は今後も導入する自治体を増やしたいとしています。
「赤と白の旗」の意味を理解して、もし振られるのを見たら、すぐに海岸から離れて高い場所に避難してください。