ふるさと納税にも“値上げ”の波が押し寄せそうです。物価の高騰に加え、国が10月からルールを厳格化するのが要因で、駆け込み需要も増えています。
ふるさと納税は故郷や応援したい自治体を指定して寄付すると2000円を差し引いた額が原則、所得税や住民税から控除される制度で、各地の特産などの「返礼品」も魅力となっています。
総務省によると全国のふるさと納税の寄付額は2022年度、約9654億円で3年連続で過去最高を更新しました。
こうした中、総務省は10月からルールを厳格化します。
これまでは返礼品の商品代や送料などの事務手続にかかる「経費」を寄付額の5割までとし、仲介サイトへの手数料などは経費に含まれていませんでした。
これが10月からは仲介サイトへの手数料なども「経費」として計算しなくてはいけなくなったのです。
(松木梨菜リポート)
「こうした動きによって寄付額の“値上げ”を検討する自治体も出てきています」
その一つが瀬戸内市。2022年度の寄付額は約9億円で、岡山県の自治体で2位でした。
(瀬戸内市秘書広報課/石井陽治さん)
「10月から変えるのも難しいのもあるんですけど寄付額の引き上げを全体的に実施することを検討している」
(松木梨菜リポート)
「瀬戸内市で一番人気の返礼品は地元で製造されたオリーブオイルの2本セット、現在の寄付額は1万8000円です」
このほか、フルーツやお肉などが人気で約1000品目の返礼品があります。10月からその多くで1割から2割ほど寄付額の引き上げを検討しています。
市によると、ほかの自治体では寄付額を変えず中身の量を減らすことを検討しているところもあるようです。
このルール変更を前に駆け込み需要が増えていて、瀬戸内市の8月の寄付件数は2022年の同じ時期と比べて1.4倍だったということです。
(瀬戸内市秘書広報課/石井陽治さん)
「リピーターになっていただいて。寄付額が変わるかもしれませんけれども引き続きご支援いただきたいと思っています」