岡山県吉備中央町の円城浄水場から水を引き入れている池で、2023年8月、基準値を上回る塩素酸が検出されていました。しかし町は保健所に報告していませんでした。
基準値を上回る塩素酸が検出されたのは円城浄水場から水を引き入れている案田配水池の水です。
8月22日に町が行った検査で、国の基準値の1リットルあたり0.6mgを超える、0.72mgの塩素酸が検出されました。
そのため8月30日と9月20日にも検査したところ、いずれも基準値を超えていたにもかかわらず、検査結果を保健所に報告せず放置していました。
吉備中央町では2020年以降の水質検査で円城浄水場の水から暫定目標値を超える有機フッ素化合物が検出されたにもかかわらず、県に報告していませんでした。この問題を受け、町の職員が過去の水質検査の結果を調べたところ、新たに判明したものです。
町は、消毒のために水に入れる次亜塩素酸ナトリウムの劣化が原因とみて10月31日にタンクを清掃するなどして現在は基準値を下回っています。
吉備中央町では11月2日夜、円城浄水場から水を供給されている世帯を対象に住民説明会が開かれ、約190人が参加しました。
町は有識者による専門委員会を設置し、健康診断や検査などの方法を検討することなどを説明しました。住民からは「早急に血液検査などをしてほしい」との声が相次ぎました。
(吉備中央町/山本雅則 町長)
「役場のガバナンスが徹底できていなかったことが一番の要因でございます」
また、第三者も入れた組織で原因を究明してほしいとの声が上がりました。
(吉備中央町/山本雅則 町長)
「内部だけでない委員会をつくってきちんとした対応をしたいと思います」