讃岐うどんの本場・香川県で、アレルギーの有無や宗教上の理由を問わず、“誰でも楽しめる”うどんレストランが12月18日にオープンします。
志度湾を望む高松市牟礼町大町に12月18日にオープンする「by age 18(バイ・エイジ・エイティーン)」です。
小麦アレルギーの人でも食べられるよう、麺に使っているのは「米粉」。うどんのコシのもとになるグルテンを使わずに弾力を出すのに苦労したそうです。
(by age 18/西森友紀 店長)
「全然、麺がつながらないところから始まって、最終的につながって、麺状になったときには跳びはねて喜びましたね、みんなで」
米粉などの配合や製麺機を使った打ち方など1カ月以上の試行錯誤の末、麺を完成させました。
「山の幸の天ぷらうどん」は、だしはキノコと昆布がベースで、讃岐うどんの定番であるイリコをはじめ、動物由来の食材は一切使っていません。
(記者リポート)
「いただきます。麺はちょっと細めでツヤがあります。讃岐うどんのコシとはまた違うんですが、つるつるもちもちの食感です。そして、だしのキノコの香りが口の中に広がります」
天ぷらうどんのほか、野菜の彩りも楽しめるプラントベースのカレーうどんと焼きうどんの3種類から選び、前菜とスープがついたランチコースを2000円で提供します。
店を手掛けたのは、高松市のデザイン会社「人生は上々だ」です。
肉や乳製品など動物由来の食材を使わない「ヴィーガンレストラン」の口コミサイトで世界一の評価を得た菜道のシェフ楠本勝三さんと、洋菓子の国際大会で数々の優勝経験を持つ、モンサンクレールのパティシエ辻口博啓さんがメニューを監修しました。
(メニュー監修 ヴィーガンレストラン菜道シェフ/楠本勝三さん)
「小麦不使用とか肉を使っていないうどんですよって言うと、おいしくないんでしょというネガティブなイメージを持たれると思うんですけど、『◯◯不使用のうどん』っていうことがここの売りじゃないんですよ。『みんなが』おいしいうどんを食べられるお店」
オープンに先駆け、12月2日と3日には地元の人たちに向けた試食会が開かれました。
(試食した人は―)
「(Q.普段食べているうどんと比べてどうですか?)遜色はないですよね。キノコの香りが強いんで、それが好きな人なんかはひょっとしたらこっちのほうが好きなんじゃないっていうくらい」
「どうしても小麦が苦手な方もたくさんいらっしゃると思うので。そういう方にとっては気にせずうどんが手軽に食べられるのですごくいいお店だと。おいしいですし」
(記者リポート)
「大きな窓から見える瀬戸内海の景色を楽しんでもらおうと、客席を2階に設けているんですが『誰でも楽しめるお店』を目指してエレベーターを設置するなどバリアフリーにも配慮しています」
香川の職人とアーティストがタッグを組んで新たな価値を生み出す「讃岐リミックス」などのイベントも手掛けてきたクリエイティブディレクターの村上モリローさん。
初の飲食店経営で目指すのは「デザインの価値」を高めることです。
(人生は上々だ/村上モリロー 代表)
「自分にとって一番身近なものの価値がデザインを通して変わることができたらデザインってすごいなって感じてもらえるかなと思ってて、それが香川県だと讃岐うどん。セオリーはこうだよねとかっていうのを変えていかないと面白くできないし、世の中って変わっていかない」
店の名前は「by age 18」。「常識とは18歳までに積み上げられた先入観のコレクションに過ぎない」というアインシュタインの名言をもとに、これまでの既成概念をひっくり返したいという思いをロゴデザインにも込めました。
うどんレストラン「by age 18」は12月18日にオープン。ランチとディナーに加え、年明けからは午後にカフェの営業も予定しています。(水曜・不定休 午前11時半~午後10時まで営業)