香川県坂出市などが行った、生成AI「チャットGPT」を活用した高齢者の買い物支援の実証実験の結果がまとまりました。実験に参加した人へのアンケート調査では7割が「サービス化」を希望し、民間事業者が6月を目途にサービス化するということです。
実証実験は、2023年11月から2024年1月にかけて坂出市の王越地区で行われました。王越地区の人口は800人ほどで高齢化率は60%超。近くのスーパーまでは約10km離れていて、高齢者の買い物が困難な地域です。
実験に参加した16世帯には、質問に対して文章を自動で生成するAI「チャットGPT」が利用できるタブレットとインターネット環境が提供されました。AIに希望の食事のメニューを入力すると、必要な食材の個数や値段を教えてくれます。
商品の販売は地元の食料品店、配達は地元のタクシー会社が行いました。
坂出市によると、実験期間中、実際に買い物支援を利用したのは11世帯で、1世帯当たりの購入回数は平均4.36回、購入金額の平均は3869円でした。
利用者へのアンケートで、生成AIの使い勝手については「会話もスムーズで使いやすかった」が16.7%、「会話がうまくいかないときもあったが、それなりに使えた」が50%と、おおむね生成AIを使うことができたとの回答を得ました。
商品についての質問では「品数が少ない」という意見が多かったものの、「サービス化してほしい」という回答 が70%でした。
坂出市は今回の実証実験について「改善点はあるものの好評を得た。生成AIという最先端技術の活用は地域のDX化の推進に大きな期待が持てるものとなった」と総括。
ケーブルテレビ事業などを行う「KBN」などの民間事業者が実施主体となり、2024年6月を目途に坂出市と宇多津町全域を対象にサービスを開始する方向だということです。