2日も備蓄米を求め、長い行列ができましたが、肝心の銘柄米は一体いつ安くなるのでしょうか。
■備蓄米に行列“初実食”に密着
2日から備蓄米の販売を始めるのは「アイリスグループ」の「ユニディ ラゾーナ川崎店」です。“古古米”の備蓄米を300袋販売。価格は5キロで2160円です。
先頭から5番目に並んでいた80代の女性は…。
80代の人 「うれしいです。午前5時半から待っていた、疲れました。年金生活では高いコメ買えません」
ただ、喜ぶ声がある一方で、備蓄米がなくなった後の不安を口にする人たちも少なくありません。
70代の人 「今だけしか買えないのですごく不安。夏どうしようかな、という感じ。また出るコメがないので、どっかの国から輸入になっちゃうのかな」
40代の人 「これからずっと同じくらいの値段で手に入らないと、結局は（コメを）食べるので、困ってしまうので（価格が）安定してほしい」
消費者の関心は安い備蓄米が出回ることで高騰しているコメの価格が下がるのかどうかという点にあるようです。
備蓄米の“古古米”は大手小売店での店頭販売が先月31日から続々と始まっています。
連日、備蓄米を求める人たちで開店前から長蛇の列が…。
5キロ2138円の“古古米”を買った清水弘子さん（80）に密着取材しました。午前5時半に自宅を出て、開店前から並んで購入したといいます。
備蓄米“古古米”を購入 清水弘子さん 「どうしても買わなきゃならなかった。2138円、良いと思う。今まで3000円から4000円、高かったから」
80歳の清水さん、5キロの備蓄米が入ったリュックを背負い、自宅まで20分ほど歩きます。
備蓄米“古古米”を購入 清水弘子さん 「重いよね。最近5キロを背負ったことがないから、いつも2キロだから。（5キロは）高くて買えない」
3年前、夫に先立たれアパートで一人暮らしです。
備蓄米“古古米”を購入 清水弘子さん 「疲れましたね。でも助かる、もうなくなるところだったから。これしかないから助かる、1回分」
早速“古古米”の備蓄米を開け、においを確認。
備蓄米“古古米”を購入 清水弘子さん 「悪いにおいはしないような気がする」
夫が生前、精米店を営んでいたといい、そのころの知識を生かして…。
備蓄米“古古米”を購入 清水弘子さん 「古古米だからコメが硬いと思うのでちょっと水を多めにした」
スプーン1杯分の日本酒も加えます。
さらに釜を冷蔵庫に入れ、コメに水が浸透するよう30分ほど寝かせます。
備蓄米“古古米”を購入 清水弘子さん 「早炊きにします」
野菜炒めをおかずにして“古古米”をいただきます。炊き上がりのにおいは…。
備蓄米“古古米”を購入 清水弘子さん 「普通です」
年金などで家計をやりくりしている清水さん。2000円で買える備蓄米は「渡りに船」だといいます。
備蓄米“古古米”を購入 清水弘子さん 「いただきます」
“古古米”の味は…。
備蓄米“古古米”を購入 清水弘子さん 「おいしいです、硬くもない。水を多めにして私はきょう酒を入れたが、そうすれば食べられると思う。ごちそうさまでした」
古古米の備蓄米を買った別の家庭では…。
備蓄米“古古米”を親が購入 榎本凌佑さん（9） 「うーん、なんか変なにおいがする」
備蓄米“古古米”を親が購入 榎本恵佑さん（12） 「なんか普通のコメと違うにおいがする」
食べ盛りの息子が2人いる榎本さん家族です。
“古古米”の備蓄米に初挑戦。
備蓄米“古古米”を親が購入 榎本凌佑さん 「いつものコメよりかはちょっと違うけど、おいしそうではあります」
これまでは北海道のブランド米「ななつぼし」を食べていたといいます。ところが、今では5キロ5000円を超えるほど高騰しているため、備蓄米に変更するか検討しているといいます。
大のコメ好きだという次男の凌祐くんが炊き立ての“古古米”を食べてみると…。
備蓄米“古古米”を親が購入 榎本凌佑さん 「めちゃくちゃおいしい」
炊き立ては納得のグーサイン。
では一晩、冷蔵庫に保存した“古古米”は果たして…。
備蓄米“古古米”を親が購入 榎本尚代さん 「きのうのごはんだね。じゃあ温めます」
電子レンジでチン。どんな味なのでしょうか。
備蓄米“古古米”を親が購入 榎本尚代さん 「炊き立ての時と比べてどう？」
備蓄米“古古米”を親が購入 榎本凌佑さん 「炊き立てと比べるなら炊き立てのほうがおいしいけど、いつも朝ごはんで食べているごはんと同じくらい」
■肝心の「銘柄米」いつ安く？
ただ、安い備蓄米の人気が高まる一方で銘柄米の価格はいまだ高止まりしています。
スーパーセルシオ 和田町店 久保田浩二さん 「（銘柄米）5キロの平均価格で5300円くらい、もちろん過去最高値。こんだけ上がるとは予想もしなかった。今後どうなるのか心配」
宇都宮大学 農学部 松平尚也教授 「そもそも流通量に余裕がない。2024年産の銘柄米は夏ごろに不足する可能もある。（価格を）下げる材料がない。2025年産の新米は農家への前払い金を2から3割上げるとしていて、2025年産の新米も高止まりする見通しになっている」
