岡山市が公共交通のあり方を考える協議会で、両備グループと八晃運輸が競合するバス路線について八晃運輸が運行する「めぐりん」を廃止する再編案などを示しました。
岡山市が開いた協議会には、市内のバス事業者9社などが出席しました。市内を運行するバス路線の約8割は赤字で、利用者や収入も新型コロナウイルスの影響で2019年より2割以上減っています。
岡山市は3月の協議会で、便数の調整案や路線の再編案を盛り込んだ「岡山市地域公共交通網形成計画」を示しました。
事業者からおおむね了解を得ていましたが12日、新たに追加の再編を提案しました。再編案では、八晃運輸が運行する循環バス「めぐりん」の益野線を廃止する計画です。
岡山市中心部と東区の西大寺地区を結ぶこの路線を巡っては、競合する両備グループが他の赤字路線が維持できなくなるとして、路線の認可取り消しを求めて訴訟を起こすなど反発していました。
(両備グループ/小嶋光信 代表) 「どうして廃止を決められたのか」
(岡山市都市整備局/平澤重之 担当局長) 「益野線については低廉な運賃の競争を止めて撤退して、両備さんにお任せしませんかというのをわれわれの方からお話した」
(八晃運輸/成石敏昭 社長) 「再編実施計画には当社としては賛成。長年当社からお願いしていた岡山駅への乗り入れ、これも早急にやっていただく。合わせて益野線からの撤退、廃止します」
岡山市はこの他、既に2社が運行している岡山駅と国立病院を結ぶ国立病院線への八晃運輸の参入や、「めぐりん」の岡山駅東口への乗り入れなどを提案しました。
(岡山市/大森雅夫 市長) 「われわれとしては、事業者の皆さんの合意をいただいてこの計画を動かしていきたい」
岡山市は2021年1月の協議会までに計画案を取りまとめる方針です。