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香川県で進む緊急点検 盛り土などの安全性は?【こつこつ防災】

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 防災の話題をお伝えする「こつこつ防災」です。
 7月3日に静岡県熱海市で発生した大規模な土石流。土石流の起点とみられる場所には「盛り土」がありました。現在、静岡県は盛り土と土石流発生との関連性などを調査しています。

 その後、赤羽国土交通大臣は「全国の盛り土の総点検が必要」だという考えを示し、香川県は県内の盛り土などについて「緊急点検」を進めています。

香川県の職員による緊急点検が進む

 7月28日に香川県の職員が緊急点検したのは、三豊市山本町にある盛り土です。この盛り土は一部が「土砂災害警戒区域」に指定されています。香川県は県内の「盛り土」のうち、土砂災害警戒区域を含むものや影響を及ぼす可能性があるものを緊急点検の対象にしています。

(香川県 みどり保全課/笠井正宏 課長)
「開発現場が下流の人家等に被害を及ぼさないかどうか重点的にチェックしております」

 県の職員はポールを使って盛り土の角度などを計測しました。また、「盛り土」にしみこんだ雨を外に排水するためのパイプについても直径やヒビがないかなどを点検しました。

 このパイプを通った水は調整池にためた後、量を調節しながら下流に流されるということです。香川県によると、28日に点検した盛り土に問題はなかったということです。

 香川県は「宅地造成地」の盛り土についても点検を進めています。岡山・香川では大規模に盛り土造成した宅地について県や市などがホームページで公表しています。

香川県に約960基ある「砂防ダム」の点検も行う

 また今回、香川県が緊急点検しているのは盛り土だけではありません。それが、土石流を受け止めるための「砂防ダム」です。

(赤木由布子リポート)
「こちらが砂防ダムの下流側です。上流側に溜まった土砂の量を調べていきます」

 7月21日に香川県の職員が点検に訪れたのは観音寺市の「尾合谷下川砂防ダム」です。

 砂防ダムは、上流から土砂が流れてきた場合、それを受け止めて勢いを弱める役割があります。香川県は5年から10年に1度県内の砂防ダムの点検をして、たまった土砂が多い場合は取り除いています。

(香川県西讃土木事務所/岡林毅 河川港湾課長)
「あらかじめ土砂がたまるポケットを準備しとかないといけませんので、そのポケットが確保できているかという観点に点検を行っています」

 熱海市の土石流では砂防ダムがありましたが、土砂を受け止めきれずに下流に被害が出てしまいました。

 香川県では、2004年に台風23号による豪雨でさぬき市で土石流が発生しました。砂防ダムが無かった場所では住宅が全壊し、1人が亡くなりました。一方、砂防ダムがあった場所では砂防ダムが土砂を受け止め、下流の住宅などへの被害を防ぐことができました。

 香川県には約960基の砂防ダムがあります。今回、県が点検の対象にしたのは特に勾配が急な場所にある「管理型」と呼ばれる砂防ダムです。香川県は砂防ダムと盛り土の緊急点検を7月中に終える方針です。

 今回、香川県は独自に点検を進めていますが、今後は全国的に盛り土の安全性を見直していくことになりそうです。

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