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【特集】「星野仙一記念館」が11月末で閉館 偉業を後世に…館長の思いを聞く 岡山・倉敷市

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 倉敷が生んだ野球界のスター・星野仙一さんの記念館が2021年11月末で閉館します。記念館の立ち上げから運営に携わった延原敏朗館長に、閉館決断への思いを聞きました。

 岡山県倉敷市出身で現役時代は中日のエースとして活躍。監督としては、中日、阪神、楽天の3球団をリーグ優勝に導いた星野仙一さん。

 倉敷が生んだスター・星野さんの生い立ちや偉業を紹介しているのが、倉敷美観地区にある「星野仙一記念館」です。その運営をしているのが館長の延原敏朗さん(80)です。

 延原さんは1980年ごろから、星野さんが岡山に帰るたびにゴルフを通じて交流し“兄弟”のような間柄だったといいます。

会館のきっかけは一着のユニフォーム

 そして2003年、星野さんが阪神の監督としてリーグ優勝を決めた試合に着ていたユニフォームが延原さんのもとへ届きます。これが記念館を開館するきっかけとなりました。

(星野仙一記念館/延原敏朗 館長)
「この一式をタンスの肥やしにするのはもったいないなという気持ちで、ずっと日頃大切に保管していた」

 そして2008年3月。延原さんは星野さんゆかりの品を集めた記念館をオープンします。

 開館当時、星野さんは一番最初に買ってもらったグローブについて思い出話を語ってくれていました。

(星野仙一さん[2008年3月])
「あれ、1000円のグラブです。あの1000円がなかなかおふくろに言えなくて、買ってもらった思い出は今でも忘れていない。1000円持って買ってらっしゃいと言われた時はうれしかった」

収蔵品は開館当時の約3倍に

 記念館にはオープン以降、星野さんや関係者から次々と展示品が届きます。

 2008年侍ジャパンの監督を務めた時のユニフォームや、2013年に楽天の監督として日本一を決めた試合で着ていたユニフォームなど、収蔵品は開館当時の約3倍となる1000点余りとなりました。

 さらに、楽天の監督時代、同じユニフォームを着た田中将大投手のグラブなども並べられています。

 星野さんの偉業や思い出が詰まった記念館。しかし80歳を超え高齢の延原館長は運営を続けることが難しくなり、11月末、閉館することを決めました。

(星野仙一記念館/延原敏朗 館長)
「僕としてはものすごく悔しいし、寂しさがだんだんと湧いてくる。でも悔いはない」

 閉館を受けて、星野さんや延原さんと交流があった人が訪れています。この日は感謝状を届けに、岡山市の障害者施設・旭川荘の人たちも訪れました。

30年間、旭川荘の人たちと交流を続けてきた星野さん

(星野仙一さん[2005年11月])
「こういうふうにすくい上げようとしたらあかん。上からボーンと叩くような下すような感じで」

 星野さんは1984年から30年間、旭川荘の障害がある人たちと交流を続けてきました。延原さんも毎回、表舞台には立たずして星野さんを支えていました。

(星野仙一記念館/延原敏朗 館長)
「僕らは免罪符をもらおうと思ってやったことじゃないんです。本当に年1回の訪問を待ちわびている子どもたちに笑顔を見せようと」

 記念館には星野さんが旭川荘で子どもたちと交流している時の写真や、星野さんへのメッセージが飾られています。

 星野さんの指導を実際に受けた生徒はー―

(星野さんの指導を受けた/杉山篤哉さん)
「一番偉大な方だと思う」

閉館後、展示品は倉敷市に寄贈

 これらの展示品などは全て閉館後に倉敷市へ寄贈されます。市では活用方法を現在検討しています。

(星野仙一記念館/延原敏朗 館長)
「寄付することについては何の僕はためらいもないし、僕が死んでも永久保存してくれたらうれしい」

 倉敷が生んだ球界のスター・星野仙一さん。その偉業を後世に伝えていければと思います。

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