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【解説】活性化に期待 香川・屋島に新拠点施設「やしまーる」がいよいよ5日にオープン!

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 今回は香川県有数の観光地「屋島」について解説します。国の天然記念物に指定され、源平合戦の地としても知られる「屋島」ですが、この山上に8月5日、新しい拠点施設がオープンします。

 5日に高松市の屋島山上にオープンするのが交流拠点施設「やしまーる」です。4日はオープニングセレモニーと内覧会が開かれました。

 「やしまーる」は約3400平方メートルの敷地に約16億円かけて整備されました。川の流れをイメージした独創的なデザインが特徴で、建物自体が5日に始まる瀬戸内国際芸術祭の夏会期の作品にもなっています。

 建物の屋根には庵治石で作った瓦、3万枚が使われています。

(松木梨菜リポート)
「建物の中はガラス張りになっているため、瀬戸内海の島々や市街地などがとてもきれいに見えます」

 建物は回廊になっていて、1周約200メートル。歩いて回るとさまざまな景色が楽しめます。

 「やしまーる」は高松市が2013年に策定した「屋島活性化基本構想」を基に整備が進められてきました。この「基本構想」で掲げたのが屋島の「自然」や「文化財」を生かした活性化です。

(高松市/大西秀人 市長)
「基幹事業の一つがこの山上交流拠点施設『やしまーる』だった。それが本日完成したことを喜ばしく思っていますし、感慨深いものがございます」

 「やしまーる」の展示スペースには今後、屋島の自然や歴史に関する資料などが並ぶ予定です。さらに――。

(松木梨菜リポート)
「アーティストの方が絵画を描いていて、こちらはまだ制作途中です。源平合戦をテーマにした絵画で一部立体的に表現されています。こうした世界観を約40メートルにわたって楽しむことができます」

 源平合戦の世界観が味わえるパノラマ展示室は2022年10月に公開予定。瀬戸内国際芸術祭・秋会期の作品にもなっています。

(高松市/大西秀人 市長)
「屋島に観光で立ち寄っていただくことによって高松での滞在時間が増えて、その分経済効果も生まれるということもございますし、関連施設と連携を取りながら高松市全体の観光振興に役立つように持っていけたら」

 高松市が交流拠点施設を整備して活性化に取り組む背景には屋島を訪れる観光客の減少があります。瀬戸大橋が開通した1988年には200万人以上の人が訪れましたがその後は減少傾向が続いています。2010年以降は50万人前後で推移。新型コロナの影響で2021年は35万人ほどにまで落ち込みました。

 高松市は「やしまーる」開業によって観光客を70万人まで増やすことを目指しています。

 屋島は「瀬戸内海国立公園」の一部であり、国の天然記念物にも指定されています。加えて、四国霊場84番札所・屋島寺や日本書紀にも記されている古代の山城・屋嶋城が見つかるなどさまざまな「文化的な資源」を持っています。それだけに高松市はこれまでにもさまざまな活性化策に取り組んできました。

(高松市 観光交流課/原宏樹 係長)
「元々『やしまーる』自体も大きな旅館がこの敷地には建っていて、そこが観光客が減少していくに伴って廃虚であったりそのまま廃屋が残っている状態。屋島は自然とかの価値が大きなところなんですけど、廃屋などによる景観の阻害が屋島の自然の価値を下げてしまっている」

 修学旅行などの団体客が訪れるなどかつてにぎわった屋島。しかし、観光客が減少し2004年にはケーブルカーが廃止に。山上のレストランや旅館も相次いで閉鎖に追い込まれました。

 この状況に高松市は「自然」や「文化」を核とした活性化基本構想を打ち出し、2015年には古代の山城・屋嶋城の城門を修復。屋島の学術的価値の調査や森の保全活動などにも取り組みました。

 2017年には屋島山上までの道路を無料化しました。

 山上にある「れいがん茶屋」は、「やしまーる」のオープンを見据えて一足早く、2021年10月にリニューアルました。

(れいがん茶屋/森静家 社長)
「ドライブウェー無料化のころから大体そういう方向で考えていました。『やしまーる』ができることで合わせてしました。見に行きたいなと、行ってみたいなと、屋島がどんなに変わったんだろうと思って来てくれるのではないかと期待している」

 一方、屋島山上が変わるだけでは足りないとも感じています。

(れいがん茶屋/森静家 社長)
「屋島の山上だけでは集められる数(観光客)が少ないと思うので周辺の力で屋島山上を盛り上げていければいい」

(高松市/大西秀人 市長)
「山上拠点施設の整備に合わせて新屋島水族館がリニューアルしたり、れいがん茶屋がリニューアルしたり、ふもとにある四国村が新しく四国村ミウゼアムという形でリニューアルして魅力がアップしたということもございますので。屋島一帯として文化的価値を持った地域であることをうまく売り出していければ」

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