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【解説】新型コロナ禍で3回目の年末年始は移動増加か 人気の旅行先に「変化」 感染再拡大の懸念も 岡山・香川

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 2022年も残すところあと半月ほどです。今回は年末年始の過ごし方について考えます。新型コロナ禍で3回目の年末年始は、これまでよりも多くの人が動きそうです。

金刀比羅宮の表参道も正月に期待 年末年始の過ごし方は?

 新型コロナ禍前は多くの初詣客が訪れていた香川県琴平町の金刀比羅宮。

 香川県がまとめた琴平の1月の人出を見てみると、コロナ流行前の2020年は59万人を超えていましたが、2021年は約14万人、2022年も28万7000人とコロナ禍前の半数にも届いていません。

 2023年の正月三が日は2022年と同じように本殿での祈祷の人数を50人までに制限します。それでも……。

(記者リポート)
「香川県で最も参拝客の多い金刀比羅宮の表参道も、正月に期待を寄せています」

(参道の土産物店は―)
「ちょっと期待しています。仕入れもちょっと増やしたし。韓国便も直行便が復活したので韓国の方もぼちぼち見られるようになりましたし」

(参道のうどん店は―)
「(11月~12月は)元通りというか、それ以上ぐらいの雰囲気はあるんですけれど、スタッフの人数がコロナで減ってしまっていて、我々が追いつかないのが現状です。三が日は天気が荒れないことを祈っています」

 JR岡山駅前で街の人たちにも年末年始の過ごし方を聞いてみました。

(20代)
「旦那の実家の方(岡山県瀬戸内市)に行こうかなと思っています。東京とか大阪に行くのは抵抗がありますね」

(60代)
「家で過ごします。新型コロナが怖いからいます。高齢者はじっと家にいます」

(父親[50代]子ども[小3])
「ユニバ」
「大阪です。今まで行けてなかったんで、コロナの前の生活に戻ってるような気もします、久しぶりに」

年末年始は移動活発か 人気の行き先にも「変化」

 旅行代理店はこの年末年始の「変化」を感じていました。

(JTB岡山表町店 販売担当/竹内美智子 課長)
「お客様の旅行意欲も高まっていて、前向きな兆しと考えています」

(松木梨菜リポート)
「今年は年末年始に行動制限が出ないだろうと予想して、半年ぐらい前から予約をする人が多かったということです」

 JTB岡山表町店では、国内旅行の予約が2021年の1.2倍に増えているということです。さらに……。

(JTB岡山表町店 販売担当/竹内美智子 課長)
「新型コロナ禍では近場の旅行が人気となっておりましたが、遠方の旅行とか新型コロナ禍以前に人気のあった都市部への旅行が人気になっています」

 2021年の年末年始は近場の山陰・山陽地方が一番人気でしたが、2022年は3位になりました。2022年の2位は関西方面で特に大阪の「ユニバーサルスタジオジャパン」が人気だということです。そして1位は、「東京ディズニーリゾート」を含む東京方面です。

 この年末年始は新型コロナ禍前と同じように、都市部に人気が集まる傾向があるそうです。

(JTB岡山表町店 販売担当/竹内美智子 課長)
「今後も感染対策を講じた上での旅行の実施は期待できます。全国旅行支援の1月以降の延長も発表され、交流を回復させていきたいと思っています」

 JTBは年末年始の旅行についてアンケートをとっています。その結果、コロナ禍では「ひとりで旅行に行く」人の割合が増えていましたが、2022年の調査では2021年より3.6ポイント下がりました。(22.9→19.3%)反対に「家族と旅行に行く」という割合が3.2ポイント増えました。(56.8→60.0%)

 一方で「懸念していること」で最も多かった回答がの方が「感染の再拡大(49.5%)」でした。

 岡山・香川でも感染者が増加傾向の中迎える年末ですが、新型コロナを巡っては年が明けると状況が変わってくるかもしれません。

新型コロナ分類「見直し」 暮らしは変わる?

(川崎医科大学小児科学/中野貴司 教授)
「年明けには指針を示して、それをいつから実行するのか、こういう流れになると思っています」

 政府の分科会のメンバーでもある川崎医科大学の中野貴司教授は、新型コロナを巡る制限の緩和・解除に期待をしています。

 背景にあるのは政府が「本格的に検討するとしている」感染症法での新型コロナの位置づけの見直しです。

 現在、新型コロナは「2類相当」とされていますが、季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げることが検討されています。一方、すぐにインフルエンザ並みの対応になることはないと中野教授はみています。

(川崎医科大学小児科学/中野貴司 教授)
「コロナもはやっているからって注意していたところが、気を抜く機会が増えてしまう。より大きな感染拡大が起こらないか、それが一つ懸念事項であることはたしかです。だからこそ、マスクも要らない、どこでもお話しながら食事をして良い、そういうことではなくて、そこは徐々に(変更していく)」

 また、2023年3月までは無料で受けられるワクチン接種を巡っては、「無料接種」を延長するか「自己負担」する形に変更するかの議論が始まっています。

 これについて中野教授は――。

(川崎医科大学小児科学/中野貴司 教授)
「急に国民の皆さんすべて有料にとか大きな変化は好ましくなくて。徐々に一番良い形に変更していくってことになるのでは」

 この年末年始の感染状況について中野教授は、「同じ株の流行であれば高止まりの状況が続くのではないか」としながらも「新しい株が出てくれば爆発的に増える可能性はある」としています。

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