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【解説】中国地方屈指の渋滞エリア…岡山市の国道2号などで進む整備 専門家「いろんな効果が出てくる」

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 岡山市は中国地方でも屈指の「渋滞エリア」と言われています。この解消に向けて今、さまざまな整備が進められています。

 6月11日、岡山市の大森市長らが出席して「岡山西バイパス・本線」の起工式が行われました。

 「岡山西バイパス」は、岡山市北区楢津と南区の国道2号・大樋橋西交差点を結ぶ約5.6kmの道路です。

 6月11日に工事が始まったのは、このうち楢津から北区西長瀬までの約3.5kmの区間です。

 この区間は現在も「バイパス」が通っていますが……実はこれは「側道」です。これからこの側道の間に大部分が高架となる片側2車線の「本線」を整備します。

 総事業費は約330億円。ただし、一部区間の調査が終わっていないため完成時期は未定だということです。

 この「岡山西バイパス」は岡山市街地を囲うように整備が計画されている「外環状線」の一部です。北は「総社・一宮バイパス」と、南は「岡山環状南道路」とつながる予定です。

 この外環状線は岡山市中心部で慢性的に発生している「渋滞」を解消するために整備が進められています。

(岡山市/大森雅夫 市長)
「『中四国の中でワースト1』と言われている岡山、これがずいぶん良くなってくるんじゃないか」

 2015年度の調査によると中国地方で車の交通量が多かった上位10カ所のうち6カ所が岡山市の国道2号でした。

 最も多かった岡山市中区平井では24時間で9万5000台近い車が通っていました。

 この渋滞解消のために2023年2月には岡山市南区の大樋橋西交差点が立体化されました。このほか、国道2号については、県などがほかの交差点についても立体化するよう求めています。

 そんな中で「外環状線」が完成することのメリットについて専門家は――。

(岡山大学大学院/橋本成仁 教授)
「例えば『倉敷から赤磐に行きましょう』といった時には、必ず岡山市の中心部を走らなきゃいけない。これが環状線ができることによって、用のない車が中心部を走る必要がなくなる、中心部の渋滞の削減、それに起因するような交通事故の削減、いろんな効果が出てくる」

 「岡山西バイパス」自体も3つの幹線道路と交差している渋滞スポットです。

(記者リポート)
「右車線に入る車も増えてきました、この先、車線が1車線に絞られます。……車が詰まってきました、この先交差点があります」

 岡山国道事務所は3.5km区間の本線が完成することで、通行する車の平均速度が現在の約4倍の60kmになると試算しています。

 さらに1年間で34件発生している追突などの交通事故が23件に減少し、吉備中央町から岡山市内への救急車の搬送時間も8分短縮されるとしています。

(岡山大学大学院/橋本成仁 教授)
「2号線と高速道路の接続性も出てきますので、今注目されてる『物流』、そういう意味でも非常に大事な路線。地域の防災機能を高めるための施設として道路っていうのは非常に大事な役割をしておりますので、そういう意味で、今、盛んに建設工事が進んでるんだろうと思います」

今後の整備計画は?

 岡山市の外環状線に関しては2024年度、国道180号の2つの区間が開通する予定です。一方、まだ住民説明会が開かれていない場所もあります。

 岡山市は「外環状線」全てが開通するには10年以上かかるとみています。

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