岡山県笠岡市出身の日本画家、小野竹喬(おの・ちっきょう)の代表作「波切村(なきりむら)」が国の重要文化財に指定するよう答申されました。
小野竹喬(1889年~1979年)は、近現代日本画を代表する画家です。日本の自然の美しさを描き続け、89歳で亡くなるまでみずみずしい感性で日本画の表現を探究し続けました。
「波切村」は、1918年に発表された三重県・志摩半島の波切の雄大な自然とこの地に暮らす人びとの営みを描きだした作品で、竹喬ら気鋭の日本画家が日本画の革新を目指して結成した「国画創作協会」の第1回展に出品された作品です。
油絵を思わせる明るくて雄大な景観描写は竹喬の代表作とされ、日本画の風景表現を考えるうえで重要な位置を占める作品です。
小野竹喬の作品が国の重要文化財に指定されるのは今回が初めてで、15日、文化審議会文化財分科会の審議・議決を経て文部科学大臣に答申されました。
16日にリニューアルオープンを控えた笠岡市立竹喬美術館。「波切村」は、文化財指定の審査のため東京に貸し出し中で、返却後、5月25日からの「国画創作協会の画家たち(後期展示)」で展示されます。