3人の赤ちゃんの遺体を遺棄し、うち1人を殺害した罪に問われた女(36)に高松地方裁判所は21日、懲役6年の実刑判決を言い渡しました。
高松市の元風俗店従業員の女(36)は、2020年に自宅で産んだ男の赤ちゃんの鼻と口を母乳で濡れたタオルで覆って殺害し押し入れに遺棄。また死産した男の赤ちゃんと何らかの原因で死亡した男の赤ちゃんの遺体を押し入れに遺棄した罪に問われていました。
20日の公判で検察側は懲役7年を求刑し、弁護側は懲役3年が相当と主張していました。
21日の判決公判で、高松地裁の深野英一裁判長は「生きるために唯一頼ることのできた母親から、生命をないがしろにされた赤ちゃんの死亡の結果は重大。ほか2人の赤ちゃんの遺体を長期間放置したことに照らせば殺人の法定刑の下限である懲役5年を超える刑を選択すべき」と指摘。女のADHDの障害特性については、「生活困窮に至った点や助けを求める手段を検討しなかった点について影響があったことは否定できないが、殺人に与えた影響は大きいとはいえず、責任を減じるにも限度がある」としました。
その上で「社会福祉士らによる支援の道筋が示され、被告人は今後、支援を受け、よく相談して行動することや亡くなった子らに謝罪して弔い続けることを誓った。被告人の更生に期待する」として、懲役6年の判決を言い渡しました。
判決の後、裁判員を務めた5人が記者会見に応じました。
(裁判員を務めた40代男性)
「一度立ち止まって考えることの重要性、客観的に見てくれる人の重要性を考えさせられる事件だった」
(裁判員を務めた50代女性)
「よく知って理解して、その積み重ねで信頼関係が生まれて初めて頼ることができるんじゃないかと思うので、簡単に『頼ったら?』とか『頼りなさい』って言葉で投げかけるのは難しいのかなと」
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