岡山・香川の頑張る高校生を応援する「青春のキセキ」です。今回は岡山市から、庭造りに励む高校生を紹介します。庭の魅力に惹かれ、高校で学ぶ庭造り。プロの仕事に刺激を受けながら、造園の道を突き進みます。
(興陽高校/近藤吉平さん)
「僕が庭を好きになった『心の癒やし』。それをもう、そのままお客様にも感じてほしい」
興陽高校造園デザイン科3年の近藤吉平さん。中学生の時「植物」と「ものづくり」に関心があり、県内で唯一造園を学ぶ専門学科がある興陽高校の門を叩きました。
今では生徒会長も務め、その落ち着きからか先生と間違われて下級生にあいさつされることも。
(興陽高校/近藤吉平さん)
「(Q.なんかベテラン感ありますね?)いや、そんなことないです。まだ全然。これも2回目なんで、わからないこといっぱいです」
この日の実習では、学校に植えられているカイヅカイブキを使って、「透かし剪定」という技法を学びました。日当たりと風通しをよくするために不要な枝をまびきます。
(興陽高校/近藤吉平さん)
「僕たちが手掛けた木というのが、フォルムがきれいになっていくというのがすごく達成感があるし、それが1年後2年後、きれいに育っているのを見ると、『よかったな。間違ってなかったんだな』って」
「造園のスペシャリスト」に必要な専門技術や実践力を習得することができる興陽高校。1、2年生の間は造園・草花に関する基礎的な内容を幅広く学習し、3年生からは専門的な実習などを通して知識と技術を身につけます。
「現代の名工」が特別講習 プロの技を学ぶ
3月、日本造園組合連合会岡山県支部が学校で、日本庭園を造る特別講習会を開きました。
「現代の名工」に選ばれた庭師の寺下弘さんが講師として参加し、若手の庭師らと一緒に近藤さんら造園デザイン科の生徒が指導を受けました。
(興陽高校/近藤吉平さん)
「プロの技、本当に感じます。スピードが違って効率が違うな」
(庭師[現代の名工]/寺下弘さん)
「緑を通じて、住まいを良くする、また人を豊かにする。水と緑というのは欠かせない要素。ものづくりの面白さを最初に教えて、次に基本をしっかりマスターしてもらう。体験を積み重ねて、いいプロになってほしい」
今回造られた日本庭園では、瀬戸内海の多島美が表現されています。
(興陽高校/近藤吉平さん)
「激しさと緩やかさが交わっている庭というのが僕は好きなので。あっちが激しさを、ちょっとゴツゴツした石を。こっちは傾斜が緩やかで、(渓谷の)流れを表している。その緩急というのが僕はすごい好きで、本当に……好きですね。いい言葉が思い浮かばないんですけど」
後継者不足とニーズ減少…今後は
校内での講習会の他に4月24日、日本三名園の一つ岡山後楽園でも、高校生がプロから技術を学ぶ機会が設けられました。
日本造園組合連合会岡山県支部がこうした講習会を行う背景には、今後に対する強い危機感があります。
(日本造園組合連合会岡山県支部/岡田直樹 青年部長)
「若手の人材というのが不足してまして、技術の継承も段々と途絶えていっている」
岡山県支部は業界の魅力をPRしようと2023年、興陽高校と岡山県造園緑地組合連合会と協定を締結。連携して人材の育成を図っています。
ただし、一般の住宅に対するニーズが多様化する中で、現場で庭を造る機会は減り、すでにある庭の維持・管理が主な業務になっているのが現状だということです。
(日本造園組合連合会岡山県支部/岡田直樹 青年部長)
「造園というところの技術は必要とされなくなってきた」
(興陽高校/近藤吉平さん)
「(Q.造園機会が少なくなっている状況だと思うが、気持ちは変わらない?)僕が逆に増やしてやろうみたいな感じで思ってて。でも、やりたいことやりたいことと言っていても成り立たないので、そういう仕事もしつつ、お客さんとちょっとお話して、『こういうのどうですか?』と提案してみたりだとか、そういうのを増やしてみたい」
心癒やされる庭に魅了され、プロに刺激を受けながら、日々造園の研鑽を積む近藤さん。そんな近藤さんが将来造りたい庭とは。
(興陽高校/近藤吉平さん)
「一度でも使ってみたいと思えるような庭を造るのが夢で、ちょっと外で食事してみるだとか、ちょっと管理してもらうだとか、庭が仕方なく造るものではなくて、あってよかったなって思える庭っていうのを僕は造ってみたいです」
(2026年4月29日放送「News Park KSB」より)