29日は猛暑日地点数が史上最多となりました。それでも今年一度も猛暑日になっていない、関東で一番涼しい街があるのです。
29日、全国各地で猛暑日となり、街行く人も、ぐったり…。
一方で、聞こえてきたのは「暑い」とは対照的な声。なぜ涼しいのか。人々の心をわしづかみにする避暑地の秘密に迫りました。
番組は東京から約150キロ離れた茨城県北茨城市へ。海と山に囲まれた自然豊かなまちに4万人が暮らしています。
マリンブルーが自慢の海水浴場には観光客の姿が。早速、話を聞いてみました。
県内から来た人(50代) 「涼しいです。過ごしやすいのではないか」
県内から来た人(70代) 「(北茨城は)関東の避暑地と言われている。だから来てみたが、やっぱり涼しかった」
地元では体験できない涼しさに感動していました。
揚げ物を大量に扱う精肉店では、この涼しさをフル活用。
店のスタッフ 「ここから入ってくる海の風が涼しい」
店のドアを開放し、クーラー代わりに。エアコンは設置していません。
店のスタッフ 「結構風は入ってくるので、たまには客も『エアコンないの?』」 「寒いくらいだよ」
今月30℃以上の真夏日日数を比較してみても東京都心が25日に対して北茨城市は11日と半分以下。35℃以上の猛暑日に関しては一度も記録していません。
東洋経済新報社がまとめた「涼しい市区ランキング」でも北茨城市が堂々の1位に。
なぜこれだけ涼しいのでしょうか。
北茨城市商工観光課 野口郁主任 「風がかなり吹き抜ける地域なので、涼しさを感じられる。山も起伏が激しくないので、吹き抜けて平均して気温が下がる」
北茨城の涼しさは「海からの冷たい風」と「平坦(へいたん)な地形」が生み出しているといいます。さらに涼しい街の“ひんやりスポット”も教えてくれました。
北茨城市商工観光課 野口郁主任 「山に行くと花園神社があって、北茨城屈指の涼しいスポット」
山側にある“ひんやりスポット”に向かうと、林に囲まれて川や滝が涼を感じさせる神社がありました。街中よりも約2℃、気温が低いといいます。
県内から来た人 「ひやっとした、居心地がいい。さわやか。涼しくてね、すごくパワースポットなのかなって」
汗を流さず神社にお参りできるのも魅力の一つです。
“涼しさ”という魅力にひかれて移住してきた人もいます。
今月、北茨城市に移住 田中彰さん 「街のコンパクトな中に良い場所がいっぱいあるので暮らしやすい」
36歳の田中さんは今月、北茨城市に引っ越してきました。
今月、北茨城市に移住 田中彰さん 「(Q.元々はどこに住んでいた?)岐阜県。結構全国的に暑いところ。40℃近付くくらい。盆地ですごく暑い」
暑い街から涼しい街へ。生活はどのように変わったのでしょうか。
今月、北茨城市に移住 田中彰さん 「(Q.岐阜に住んでいたころは毎日クーラー使っていた?)そうですね。付けていないと寝られない」 「(Q.こちらではどう?)クーラーを付けて寝ると寒いので、風邪ひきそうになるので、必ず寝る前には消す。(外出時は)自分は半袖1枚は不安。長袖を必ず持っていく」
「長袖が欠かせない夏」。北茨城には訪れる人の夏のイメージを変えるような魅力があるのかもしれません。
今月、北茨城市に移住 田中彰さん 「今までは夏は暑くて嫌だなって気持ちが強かった。北茨城市が涼しくて夏も快適そう。前ほど暑さが憂うつじゃなくなりそう」