フィリピン残留日本人2世の男性が初めて日本を訪れ、残留2世の現状を大学生らに伝えました。
フィリピン残留日本人2世 タケイ・ホセさん(82) 「小さいころから『日本人は悪い奴だ』といじめられてきました。でも僕は父親のことを知りません。会ったことがないのです。つらい時に相談する父親はそばにいませんでした。ひたすら耐えるしかなく、ただ悔しかったです。だから当時は日本人だと言われるのがつらかったです。でも日本に来て、今は日本人になりたいと思います」
東京都内の大学で9日、フィリピン残留日本人に関するシンポジウムが開かれ、初めて日本を訪れているフィリピン残留日本人2世のタケイ・ホセさんが出席しました。
タケイさんは、太平洋戦争の混乱期に日本人の父親と生き別れたため、日本国籍がなく、今も国籍回復を希望しています。
タケイさんはイベントの中で「もうあのような戦争が起きないように、若い人たちが動いて下さい」などと話し、平和への想いを学生らに伝えました。
参加した学生 「国籍がその方にとってどれだけ大事なのか強く感じる機会になりました」
現在、フィリピンには日本国籍の回復を希望する残留2世が49人残されていて、今後も政府による支援をもとに親族探しが進められます。