香川県小豆島で16日と17日に、プロバスケットボールBリーグ2部 香川ファイブアローズの公式戦が行われました。島民らが「みんなでつくる」を掲げて盛り上げや運営に関わったこの試合。会場は一体感に包まれました。そして、全国的にも異例の取り組みに、Bリーグの事務局長も視察に訪れました。
島民と選手、地元クリエーターが一緒に作ったポスターをはじめ、試合の告知や会場設営などなんと400人以上がこの試合に関わってきました。
そして迎えた当日…
(小豆島スポーティーズ/渡部勝之さん) 「きょうはみんながつくり手で、観戦者で、応援者でっていう感じ」
(白戸ゆめのリポート) 「飲食ブースにはいろんなジャンルの食べ物がずらーっと並んでいます。なんとアローズ史上最多の18店舗が出店してるんです!みんな「作り手」の一員です」
ここまで、ファイブアローズのホームゲームの平均観客動員は830人。16日には、1132人の観客が集まりました。コート間近で飲食しながら、プレーを観戦できる「居酒屋シート」も満席となりました。
(白戸ゆめのリポート) 「みんなで作った試合が、いま始まりました!」
今シーズン18連敗もあり、西地区最下位に沈むファイブアローズ。対戦相手は、中地区2位の強豪・名古屋です。前半、ポイントガードの木村が攻守にわたる活躍でリードを奪い、会場を沸かせます。
Bリーグ発足の立役者でもある、葦原一正事務局長。ツイッターがきっかけで島の取り組みに注目し、東京から7時間かけて視察に訪れました。
(Bリーグ/葦原一正 事務局長) 「この空気は、テレビやスマホじゃ分からないですね。現場に来ないと」
試合は、後半に入り相手の流れに…第3クウォーターに逆転されるとその後も徐々に差を広げられ、第一戦を白星で飾ることはできませんでした。
試合終了後の会場で行われたのは初めての取り組みとなる「みんなで反省会」です。香川、名古屋のブースターや島の人に加えてBリーグの葦原さんやスポーツマーケティングに携わっている人などもゲスト参加しました。この中で、注目した選手に挙げられたのがポイントガードの木村啓太郎です。
(NBA解説者/マーク貝島さん) 「日本人ガードにしては、レイアップすごい入れるし得点の意識がすごいあるので」
(スポーツマーケティング会社の代表/平地大樹さん) 「木村が決めたときは何か違う形でコールしてあげるとか、そういうのでチームに対してもブースターの方々からもアピールしてあげたり」
スター選手をどう育てるのか、クラブがブースターをどう巻き込むのかなど、2時間近く熱い議論が交わされました。
(Bリーグ/葦原一正 事務局長) 「今回のこういう熱量っていうのは相当珍しいと思います。反省会含め見させていただいて、面白いしこれからの可能性をすごく感じました」
17日に行われた第2戦にも、1115人の大観衆が集まりました。 試合は、終始大接戦!この日も木村が魅せました!気迫たっぷりのハッスルプレーで、シュートを次々と決めていきます。 そして両者一歩も譲らない中、第3クウォーター終了間際に、藤岡がブザービートとなるスリーポイント!
最終クウォーターも一進一退の攻防で、会場の声援は増すばかり!それにこたえたファイブアローズが最後は、わずか2点差を守りきり、小豆島の人たちに勝利を届けました。
(観客はー) 「応援すごかったですね。一体感がすごかったです」 「うれしい。うれしすぎて涙しました。ぎりぎりのところで決められたのは、会場のお陰だと思った」
(チアに参加した高校生はー) 「最初はドキドキしたが、皆で一緒に頑張って応援できてよかった」
(香川ファイブアローズ/PG 木村啓太郎 選手) 「小豆島でやるということで、SNSとかいろんな人たちが頑張ってくれて、試合前からすごいお客さんがいると聞いて、むちゃくちゃ気合が入っていたので本当に頑張れた」
(香川ファイブアローズ/衛藤晃平 ヘッドコーチ) 「本当に苦しい時間帯で、すごい声援を頂いたといつも以上に実感した。コートの中の選手が、いつも以上にコミュニケーションを取っていたのも、そういう力が働いたと思う」
試合後、選手たちはロッカールームのホワイトボードに感謝のメッセージを…。 最後は、試合に関わった人と選手たちが一緒に写真撮影をして「みんなでつくった」試合を締めくくりました。