水害が起きた時に避難できる機能を備えたアパートが6日、倉敷市真備町に完成しました。
アパートの開所式は新型コロナウイルスの感染防止のため、オンライン会議で行われました。
(サツキプロジェクト/津田由起子さん) 「体の不自由な人たちも500メートル行けばこういう安全な建物がある。そういう日本になったらいいなと思っています」
(記者) 「アパートの2階から長く伸びたこのスロープ、水害時に近所の人が逃げ込めるように作られたものなんです」
長さ約30メートルのスロープは、2018年7月の西日本豪雨で多くの高齢者や足腰の弱い人が犠牲になったことから、近くの人が逃げ込めるよう設置されました。
プロジェクトの中心メンバーは、真備町で介護施設を運営する津田由起子さんです。
2019年10月からクラウドファンディングで資金を募り、西日本豪雨で被災し1階が浸水したアパートを改修しました。スロープの先には地域の人が交流するコミュニティールームがあります。 普段からお互いを気にかける関係をつくろうと設けました。災害時の避難所も兼ねていて、簡易トイレや非常食などを常備しています。
(入居を決めた 中本昭彦さん) 「中本さん、真備に箭田におかえりなさい」 「ただいま。自分は安全をもらったと一緒です」
中本さんは車いすの妻と避難した経験から入居を決めました。
(中本昭彦さん) 「遠くまで歩いて車いすで行くのも大変じゃろうけど、近くにこういう所あれば走ってくるが、そのためにこんなん(建物)があちこちできればいいと思うんじゃ」
入居する人は災害時に避難してきた人を受け入れる役割を担い、現在、4世帯の入居が決まっています。
(津田由起子さん) 「出水期を前にこのアパートができて本当にほっとしている。全国に広がっていってどこにいても何かあってもとりあえず、そこに行けば助かるっていうような仕組みができるといいなと思っています」