「夏のギモン」と題してPark KSBアプリに寄せられた「夏に関する疑問」についてお伝えしていきます。今回のテーマは「セミ」です。最初の質問は――。
「セミが鳴くのはなぜ?」(香川・三木町 ちん[46])
子どもたちに環境の大切さを教えている、岡山市北区にある環境学習センター「アスエコ」の山田哲弘さんに聞きました。
(環境学習センター「アスエコ」/山田哲弘さん)
「セミが鳴く理由はですね、セミに直接聞いてみないと分からないんですけど、大きな理由のひとつとしては、皆さんよくご存じの通りオスが大きな声で鳴いてメスを呼ぶ。で、メスに選んでもらうというのが大きな理由の1つかなと思います」
ちなみに鳴いているセミはオスで、メスは鳴きません。そして、種類によって鳴き声が違います。
セミはどうやって鳴いているのか、腹の断面図を見てみると、セミの腹には「発音筋」と呼ばれる筋肉がついていて、これで左右の「発音まく」を震わせます。この振動が腹の「空どう」で増幅されて大きな鳴き声となります。
「セミが朝よく鳴き、昼に少し収まるのはなぜ?」(香川・多度津町 マギー[54])
(記者リポート)
「午前9時過ぎです。岡山市役所前、シュワシュワシュワシュワと声が響いています」
声の主はほとんどがクマゼミ。もともと暖かい地域に生息していて、近年では本州の太平洋側などで増えているとの報告があります。
山田さんらは毎年、岡山市中心部でセミの抜け殻を調べていて、2022年もほとんどの抜け殻がクマゼミのものでした。(2022年7月28日調査:クマゼミ 335個、アブラゼミ 15個)
クマゼミは主に午前中よく鳴く性質があります。セミの鳴き声が朝によく聞こえると感じるのは、もしかするとクマゼミが増えているためかもしれません。
幼いころから昆虫に夢中だという山田さんもこの40年ほどの変化を感じています。
(環境学習センター「アスエコ」/山田哲弘さん)
「本当に昆虫少年だったんですけど、その時にはですねクマゼミはほとんどいなかったんですよね。ただ40年経って今、フタを開けてみるとクマゼミばっかりになってるんですよね。これってクマゼミから何かメッセージが出てるんじゃないかなと感じてます。その1つが例えば温暖化であったりとか、あとその他のさまざまな原因、そういったものを僕たち人間がキャッチしてどうしてなのかな? と、そのメッセージを解読する必要があるんじゃないかなと考えています」
「セミは何種類? 県による違いは?」(岡山・早島町 モンブラン[44])
日本には30種類以上のセミがいて、岡山県ではこのうち13種、香川県では11種が確認されています。種類ごとに、生息場所や成虫が現れる時期が異なります。
8月中旬以降に増えるセミ、ツクツクボウシ。夏休みも後半になり宿題を後回しにした子どもたちが「(宿題が終わらないよ~)オーシクシク」と嘆いている声とも言われます。
外敵に襲われるリスクにさらされながらも、短い夏を精いっぱい生きるセミたち。鳴き声に耳を傾けると環境の変化など、セミたちからのメッセージが聞こえてくるかもしれません。