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【解説】第7波の中で2学期スタート 学校の対策は? 「学級閉鎖」「全数把握」の見直しも 岡山

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 25日は岡山市立の中学校などで2学期がスタート始まりました。岡山・香川ともにお盆明けに感染者数が過去最多を更新するなど、感染が拡大する中で迎える新学期。学校行事も控える中、現場は対策に頭を悩ませているようです。

第7波の中、迎えた新学期 「学級閉鎖」の基準見直しも

(岡北中学校/小山真二 教頭)
「以前であれば、学校閉鎖であるとかそういった状況だったと思うんですけど、お盆が明けてからすぐ2学期が始まるんで、これからまた増える可能性が高いんじゃないんかと心配です」

 約400人の生徒が通う岡山市北区の岡北中学校。新学期に向けて「心配なこと」はいろいろあるようです。

(岡北中学校/小山真二 教頭)
「熱中症が一番心配なので、『運動するときには外していいよ』と、『体育の授業も運動するときは外していいよ』と、声掛けはするんですけど、意外と生徒がマスクを着用したまま活動する様子も見受けられます」

 部活動や体育でのマスク着用に関して岡山市教育委員会はそれぞれの学校に方針を伝えています。

(岡山市教育委員会 保健体育課/長谷井利之 課長補佐)
「活動が終わって、片付けとかミーティングをする場合は、可能な限りマスクをして感染対策をしていきましょうとお願いをしています」

 一方、感染が拡大する中でも市教委として、学校生活や部活動などは制限していません。対応は個々の学校が判断することになります。

(岡北中学校/小山真二 教頭)
「以前のように(市教委から)強制的に指示があった方が楽なのは楽なんですけど、中3の学年については、小学校卒業の時から制限がかかった状態でずっとここまできてて、逆にいうと、制限がかかると困ってしまうと、そういったジレンマがあるんですけど」

 中学校では9月、2つの大きな学校行事を控えています。その一つが――。

(松木梨菜リポート)
「来月、こちらのグラウンドを使って体育会が開かれます。全校生徒が集まって観客を入れて行うということです」

(岡北中学校/小山真二 教頭)
「全校で集まるのは今年度初めてです。保護者の人数制限を1・2年生についてはさせていただいて、感染対策になれば」

 さらに下旬には延期していた「修学旅行」も控えています。2泊3日の日程で四国の各地や大阪のユニバーサルスタジオジャパンなどを巡る予定です。しかし連日多くの感染者が確認される中、危機感は高まっています。

(岡北中学校/小山真二 教頭)
「学級閉鎖になってしまうと、そのクラスが行けなくなっちゃうってことに。それは避けたいなと。今の状況だと誰がかかってもおかしくない。そういう危機感を持ち続けていかないと。保護者の方にも注意喚起をしていかないといけないと思っています」

 学校からは「学級閉鎖」を懸念する声がありましたが、8月19日、文部科学省は感染者が出た場合のガイドラインを更新しました。

 これまでは、同じクラスで複数の感染者が出た場合は「学級閉鎖」としていましたが、新たなガイドラインでは「感染経路に関連がない場合や、ほかの児童生徒に広がっている恐れがない場合は、学級閉鎖の必要はない」としています。また、学級閉鎖の期間についても5日程度を目安としながら、「短縮」するなどの柔軟な対応も可能としています。

全数把握「見直し」に 作業に疲弊…医療現場は期待も

 新型コロナを巡る制限が徐々に緩和される中、岸田総理は8月24日、感染者の「全数把握」を見直すことを表明しました。これは、感染者の「数」は引き続き全てを把握するものの、症状などの「詳細な報告」は、自治体の判断で高齢者や重症リスクがある人などに限定することが可能になるというものです。この見直しの目的は医療機関などの負担軽減です。

(津山中央病院 総合内科・感染症内科/藤田浩二 部長)
「行政報告をしないといけない。事務手続きで1件につき15分ぐらいかかります。もっともっと大きな数になるので、それが臨床の合間、各自いろんな仕事を抱えながら上乗せで、それ(報告作業)がのしかかってくるので、そうすると疲弊するっていうのは間違いなくて、そこが簡略化されるのは、僕らとしては望んでいるところですね」

 新型コロナの患者を受け入れる津山中央病院では、感染拡大によって「スタッフの確保」が難しい状況が続いています。

(津山中央病院 総合内科・感染症内科/藤田浩二 部長)
「医療従事者といっても人なので、家で家族が感染されて、あるいは濃厚接触に該当されて、自分も職場を離脱しないといけないというのがどこの病院も発生しています。そうすると職場で人手がなくなっているんですね」

 藤田さんによると看護師だけ見ても、20人から30人は不足しているということです。それだけに、全数把握の見直しによる負担軽減に期待を寄せています。

 この見直しについて、岡山県は「負担軽減の取り組みは評価できるが対象者以外への影響は見極める必要がある」、香川県は「国の通知も踏まえて医療機関などと協議したい」とコメントしています。

 「緩和」の動きもありますが、藤田さんは新学期が始まるこれからの時期は「より一層の感染対策」が必要だと呼び掛けています。

(津山中央病院 総合内科・感染症内科/藤田浩二 部長)
「学校が始まって、人が集まるチャンスが増えれば、感染のリスクも上がると思います。目・鼻・口を守ること。今まで以上に、距離と換気。ここを今まで以上に意識してもらえたらなと思います」

 また、行動制限などがない状況では感染者の減り方もこれまでとは違うとみています。

(津山中央病院 総合内科・感染症内科/藤田浩二 部長)
「今、ピークを過ぎて、下がってくるとは思うので、ある程度減っていくとは思うんですよ。ただその減り方が緩やかに減っていく可能性があって。現状としては今とほとんど変わらないまま、もう1カ月過ぎる可能性が高いと思っています」

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