若い世代に広がる市販薬の過剰摂取「オーバードーズ」についての講演会が2日、高松市で開かれました。
香川県精神保健福祉センターが開いたもので、医療や福祉、教育関係者ら約200人が参加しました。
講師を務めたのは、依存症や自傷行為に詳しい精神科医の松本俊彦さんです。
薬物依存症で治療を受けた10代の患者が依存した薬物について松本さんが調べたところ、この10年で市販薬の割合が急増し、2024年は7割以上に及んでいます。
松本さんは、オーバードーズを繰り返す若者について「教室では目立たない、普通に見える子がほとんど。過去のトラウマなどから誰かに相談したり助けを求めたりせずに、自分ひとりで解決しようとする傾向がある」とし、その対応について呼び掛けました。
(精神科医/松本俊彦さん)
「何があっても『自傷・オーバードーズ ダメ。ゼッタイ。』みたいなそういうスタンスはやめましょう。『ダメ』とか『やめなさい』って言われても、やめられないので。それによって生きている部分もあるので。『ダメ』って言った支援者とはそこから話が進まなくなりますよね。安心して失敗を話しに来れるような関係性を続けるということがとても大事だと思います」
(参加した高松市の支援者はー)
「(オーバードーズを)どうしても止められないという葛藤であったり、あしたオーバードーズしてしまうなという予感の中で生きている若者もいるので、身近に起こっていることだと感じている。いかに冷静に、子ども・若者と接していくかというところは私自身大切にしていきたい」