「香川漆器」の高い技能や技法を持つ、国の「伝統工芸士」に2025年2月、新たに女性2人が認定されました。香川漆器の女性伝統工芸士は3人となり、高松市で合同展示販売会が始まりました。
高松オルネ3階の「TSUTAYA BOOKSTORE」で始まった3人展です。
香川漆器の塗り部門の伝統工芸士に認定された高松市の高橋陽子さん(36)。春先にあわせ、パステルカラーの器などを出展しました。
(記者リポート)
「おままごと用に作られた可愛らしい漆のスイーツ。こちらのビスケットは遊び終わったらコースターとしても使えるんです」
3歳の娘がいる高橋さんがヒノキと漆で作ったプリンやマカロンなどのおもちゃ。漆には抗菌作用があるため、子どもが口に入れても安全です。
(香川漆器の伝統工芸士/高橋陽子さん)
「もしおままごととして役目を終えたら、そのあとはいったん漆職人のほうにリメイクに出していただいて、色漆、このように好きな色を塗って、新たに食卓を飾るような器としてリメイクしていただけたら」
高橋さんの高松工芸高校時代の同級生で、同じく伝統工芸士に認定された観音寺市の土田百合香さん(37)。漆と庵治石の粉を使ったコップやカラフルな色漆の皿などを出展しました。
(香川漆器の伝統工芸士/土田百合香さん)
「せっかく伝統工芸士というきちんとした肩書をいただいたので、伝統を継いでいけるようにしたいなという心構えはしっかりできた気はします」
伝統工芸士は経済産業大臣が指定する称号で、12年以上の実務経験を積み、実技や面接試験に合格する必要があります。
香川漆器の伝統工芸士はこれで17人に。女性は8年間、高松市の後藤孝子さん(45)1人でした。
3人がそれぞれ手掛けた「後藤塗」のお盆。同じ工程で作られていますが、上漆のかけ具合や表面を指でなでたり叩いたりする違いで色合いや雰囲気が変わる奥深さも感じられます。
(香川漆器の伝統工芸士/後藤孝子さん)
「1人だったらこういう活動とかもあまりできなかったんですけど、2人が増えたことでさらに活動の幅が広がる感じですね。女性で若くてもやれるってことも知ってほしいなと思ってます」
「女性伝統工芸士3人展」は6月1日まで開かれています。
ゴールデンウィーク中の5月3日から5日にはマグネットや、木と漆のスイーツおもちゃづくりなどのワークショップも行われます。(参加費1500~2000円/事前申し込み者優先)
申し込み、問い合わせはTSUTAYA BOOKSTORE TAKAMATSU ORNE:087-811-0077