J1・ファジアーノ岡山などのプロスポーツチームや、そのサポーターらが行ってきた岡山県に新しいスタジアムの整備を求める署名活動。集まった署名約50万人分が岡山県の伊原木知事に提出されました。
午後4時ごろ、岡山県庁に運ばれた署名用紙は約50万人分。「新スタジアムの整備を推進する会」の代表で、岡山大学の那須保友学長から岡山県の伊原木隆太知事に署名用紙が提出されました。
2025年6月26日、J1・ファジアーノ岡山などのプロスポーツチームやそのサポーターらで作る「新スタジアムの整備を推進する会」が、岡山県での新しいスタジアム建設に向けた署名活動を始めました。
署名活動の背景にあるのは、今シーズン・J1に初昇格したファジアーノ岡山のチケット問題です。
(新スタジアムの整備を推進する会/河野良亮さん)
「やっぱり今のスタジアムでは見たくても見られない人がいる。そういった状況であるところをご理解いただきたい」
JFE晴れの国スタジアムでのファジアーノのホーム戦は今シーズンここまで全ての試合で、ホーム側エリアのチケットが完売。
7月以降は7試合中5試合で、ファンクラブ向けの先行販売でチケットが完売するなど、チケット争奪戦はさらに激しさを増しています。
注目度の高さはスタジアムがある岡山市だけでなく、県北部にも。
ファジアーノが9月のアウェー戦で行った津山市でのパブリックビューイングでは、800人分のチケットが約30分で売り切れました。
(津山市在住のサポーター/杉山優視さん)
「津山でもこういう動きが活発化しているんだなって。ポスターを(毎年津山で)貼らせてもらっているんですけど、すごい結果を2025年は結構チェックしてくださっている方が多くて、J1に上がるってこういうことなんだ、岡山県を巻き込んでいるんだなって思う」
署名活動の行方は伊原木知事も注目していました。
(岡山県/伊原木隆太 知事・6月25日)
「どれくらいの県民の皆さんが賛同されているのかはすごく大事になる。私としてもどれくらいの署名が集まるのか注視していきたい」
団体はときには地元のお祭りにも足を運ぶなど、県内外約150カ所の街頭に立ち署名を呼び掛けました。
(岡山市在住 署名活動に参加/小池康子さん)
「見に行きたくてもチケットが買えないんよって周りの人からも言われるし、県外から来る相手チームのサポーターにももっと来てもらいたい。やはり地元のチームって違う、なんかやっぱり応援したいんですよ」
(新スタジアムの整備を推進する会/松島和季さん)
「スタジアムの建設に賛成する人、反対する人いっぱいいると思うんですけど、岡山県にスタジアムができることでどういうことが起こりうるのか、そういったところを考えるきっかけにしていただけたらと思う」
玉野市出身で現在は京都で飲食店を営む藤原次郎さん。自身のお店などで約400人分の署名を集めました。
(京都で飲食店を営む 岡山市出身/藤原次郎さん)
「全国のサポーターの方が岡山にぜひスタジアムができて岡山を盛り上げたいというみなさんの思いで協力してもらった。今まで岡山のことを知らなかった方も皆さん『ファジアーノよね?』言ってくださって。そういうのもすごく素敵だなと思って」
約3カ月間で集まった約50万人分の署名。これは2024年に開業した広島の「エディオンピースウイング広島」や、2020年に開業した京都の「サンガスタジアム by KYOCERA」など、Jリーグクラブのスタジアム新設のために行われた署名の中で、史上最多の署名数となりました。
これを受けて知事は―
(岡山県/伊原木隆太 知事)
「大半が岡山県民の署名で集まったというのは非常に大きなことだと感じています。本当に進めていいものなのかどうなのかということがわからない状態で議論するのと、多くの人が応援をしているということが可視化された段階で議論が進められるということでいえば、ずいぶん景色も変わってくるのかなと思います」