建築家・丹下健三が設計した旧香川県立体育館の解体工事の競争入札で、7日、高松市の合田工務店が落札業者に決まりました。
1964年に完成した旧香川県立体育館は耐震性に問題があるとして2014年に閉館しました。
香川県が9月、解体工事業者を選定する一般競争入札を行い、いずれも高松市の総合建設業合田工務店と小竹組の2社が参加しました。そして2社の環境・安全対策などの技術提案や施工実績などの総合評価を行いました。
その結果、評価値が高かった合田工務店が落札業者に決まりました。落札金額は税込みで8億4700万円です。
合田工務店は、過去に旧香川県農業試験場や観音寺競輪場などの解体工事も行っています。
今後、仮契約を結び、県議会の議決を経て本契約を結ぶことになります。工期は2027年9月までです。
建築家らが設立した旧香川県立体育館再生委員会が2025年7月、民間の資金でホテルなどに再生することを提案していますが、県は「安全確保を急ぐ必要がある」として入札の手続きを進めていました。
再生委員会は「この建築を愛する多くの人々の声や、専門家からの再考を求める提言が届く中での今回の決定は大変残念」とし、「この建物は、未来の世代に残すべき文化遺産です。私たちは決して諦めません」とコメントしています。